お金儲けの神様「邱永漢」人生最後の弟子で、2005年より中国四川省成都に在住、日本生まれの韓国人。グループ会社3社の社長兼取締役が、中国・成都からレポートを届けます。
成都で増え続ける商業エリア
2011年 40万平米
2012年 40万平米成都で増え続ける商業エリア
2011年 40万平米
2013年 90万平米
これは、成都でこの数年“新規”で増えた商業エリアの営業面積です。この結果、2013年末には商業エリアの累積面積が350万平米となります。これは、大阪の中心地の合計商業エリア面積50万平米の7倍に当たります。
成都市の中心に2013年に完成する香港系のIFCモールです。5年前の2008年時点での土地の取得価格だけでも、坪500万(日本円)というバブルな価格です。
これが私の、「成都は大阪の7倍楽しい」の根拠です。
もちろん、この「楽しい」には、諸手を挙げての喜びの意味はこもっておりません。むしろオカシナ現象として警告の意味を込めています。
中国は今、全国各地で建設ラッシュの後半を迎えています。みなさんご存知のとおり、それはここ数年で始まったことではありませんし、とりわけ成都のような一見片田舎の街で、外国人からすると羨ましくなるような建設ラッシュが起きているわけです。
しかしこれは、中国経済の発展構造の一端と根の深い関係を持っている、表面からではわかりづらい現象なのです。
中国の過去10年は、不動産業者と政府のお役人が結託して、国の資金を引っ張ってビルをバンバン建てる発展だったわけです。つまり、中国的な関係(グァンシー)と外貨をしこたま稼いで貯めに貯めた政府資金のフル活用だったわけです。要は、国のお金でビル建てただけです。
そういうことに長けた人は、それこそ町工場の工員から世界的な大富豪へとチャイナドリームをやってのけたわけです(これはこれで大したものですが)。その一方で、これは鉄筋コンクリートならぬ「借金コンクリート」でできたビルなわけです(すみません、これ、私の師匠のダジャレです)。
こういう商業施設ができあがったら何をするかというと、まず自分たちにブランドがないことは百も承知ですから、誰も彼もが安直に最高級を狙うわけです。で、ルイ・ヴィトン、エルメス、プラダ、シャネル……と続くグローバルブランドを我先に引っ張ってくるために、家賃を1~2年無料にするばかりか、内装工事までディベロッパー持ちで誘致合戦の大騒ぎになるわけです。もちろん、その恩恵にあやかって他のテナントも“最初”は格安の条件で入居できます。
こういうテナントが商売を始めてそろそろ2年経ちます。次に起こることは、「すみませんが、そろそろ家賃を頂戴したいと思います」です。
すると、ルイ・ヴィトンなどは入居してほしい商業施設が大行列しているわけですから、「家賃を払うなら出ていきます」となるわけです。何せ、他の施設はみんな格安の条件と内装工事つきで誘ってくるわけですからね。
これで万が一退去となると(もちろんこんな単純にはいかないわけですが)、コアテナント喪失による2次災害がはじまり、ゴースト商業施設のできあがりです。・・・
リソース:ダイヤモンド
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