イチ子お姉さん 日本では子どもの数が減(へ)っているけど、アジアでは教育熱心(ねっしん)な豊(ゆた)かな家庭が増えていて、塾にとって魅力(みりょく)が大きいのよ。
■教育熱の高さに注目
からすけ 日本は子どもが少ないから、塾は海外に進出するっていうこと?
イチ子 そうよ。日本の学習塾・予備校(よびこう)の市場規模(しじょうきぼ)はこの10年で10%も小さくなったという調査(ちょうさ)もあって、国内だけでは成長が難(むずか)しいわ。一方、アジアの新興国(しんこうこく)では経済成長して豊かな家庭が増えているの。ベトナム、マレーシアなどは子どもが多く、子どもに「いい教育を受けさせたい」という家庭が多いのよ。中国やベトナムなどでは収入の7%近くを教育に使っているわ。所得水準(しょとくすいじゅん)や子どものいる世帯数(せたいすう)などが違(ちが)うから単純(たんじゅん)には比(くら)べられないけど、日本は2%だから、教育熱の高さではかなわないかもね。
からすけ 塾の先生たちは、ちゃんと現地の言葉で教えられるかなあ。
イチ子 日本人の先生がアジアで教えるわけじゃないわよ。塾がその国で先生を募集(ぼしゅう)して、採用(さいよう)された人たちが教えるの。
からすけ それなら先生も生徒も現地の人なんだね。
イチ子 そうよ。この春、「栄光ゼミナール」を運営(うんえい)する栄光ホールディングスはベトナムで現地の小中学生に算数・数学や英語、理科を教える教室をスタートさせるの。その教室は、現地の先生たちがベトナム語で授業をすることになっているわ。
からすけ すると、日本と同じなのは塾の名前だけかな?
イチ子 それだけじゃないわ。現地の子どもたちも、からすけと同じように、日本の塾の仕組みに従(したが)って学ぶことが多いの。例えば、生徒を個別(こべつ)に指導(しどう)する学習塾「スクールIE」を運営する拓人(たくと)(東京・中央)は2008年以降(いこう)、台湾(たいわん)、中国、韓国(かんこく)に進出しているわ。全部で30教室以上開いているけれど、どこの教室でも、子どもは日本の生徒と同じく、将来(しょうらい)の職業(しょくぎょう)などの目標(もくひょう)を決め、目標に向けて個別に指導を受けるようになっているのよ。得意(とくい)分野や苦手(にがて)分野を診断(しんだん)し、苦手な分野の克服(こくふく)に力を入れるところも日本と同じよ。
からすけ 日本の教え方を、アジアに持っていっているんだね。
イチ子 そうね。アジアでは、学校の授業の補習(ほしゅう)をする塾は増えているけど、将来の大学受験などに向けた本格的(ほんかくてき)な塾はまだないところも多いの。だから、日本の仕組みを持ちこんで、それを武器に教室を広げていくつもりなのよ。受験(じゅけん)に向けて年間の勉強スケジュールをきめ細かく定めるなど丁寧(ていねい)な「日本式」の教え方は、海外でも評判(ひょうばん)がいいみたいね。
■国内、少子化で市場縮む
からすけ アジアの子どもたちも、僕みたいに勉強、勉強の毎日になりそうだなあ。
イチ子 何を言ってるの。アジアの子どもたちは、からすけよりずっと勉強していて、テストの成績(せいせき)もいいのよ。
からすけ どういうこと?
イチ子 経済協力開発機構(OECD)という団体が、3年ごとに世界の15歳を対象に実施しているテストがあるのだけど、それによると、中国、韓国、シンガポールなどの子どもの方が、日本の子どもより高い点数をとっているのよ。世界のランキングをみると、上位はアジア勢(ぜい)が独占(どくせん)しているくらいなの。からすけもしっかり勉強しないと、いつか、ライバルたちに圧倒されるわよ。
からすけ わかったよ。僕もがんばるね。
イチ子 しっかりね。工場を建てたり、スーパー、コンビニエンスストアを出店したり多くの日本の会社がアジアに進出しているけど、これからはもっと増えるでしょうね。学習塾のように、これまで国内のお客さんだけを相手にしてきたサービス業のことを「内需型(ないじゅがた)サービス業」というの。旅行会社、結婚相談所、引っ越し会社、クリーニング店などがそうね。そうした会社は、少子化で国内市場が小さくなることに危機感(ききかん)を持っているわ。そこで、これから市場の成長が見込(みこ)まれるアジアに目を向け始めているのよ。
からすけ 塾みたいにアジアに日本のやり方を持ちこむのかな?
イチ子 そうね。日本のサービス業はお客さんの要望(ようぼう)を聞いて、きめ細かく丁寧な対応をするのが大きな武器なのよ。日本式をうまく持ち込んで、アジアで成功するといいわね。
リソース:日本経済新聞
からすけ 日本は子どもが少ないから、塾は海外に進出するっていうこと?
イチ子 そうよ。日本の学習塾・予備校(よびこう)の市場規模(しじょうきぼ)はこの10年で10%も小さくなったという調査(ちょうさ)もあって、国内だけでは成長が難(むずか)しいわ。一方、アジアの新興国(しんこうこく)では経済成長して豊かな家庭が増えているの。ベトナム、マレーシアなどは子どもが多く、子どもに「いい教育を受けさせたい」という家庭が多いのよ。中国やベトナムなどでは収入の7%近くを教育に使っているわ。所得水準(しょとくすいじゅん)や子どものいる世帯数(せたいすう)などが違(ちが)うから単純(たんじゅん)には比(くら)べられないけど、日本は2%だから、教育熱の高さではかなわないかもね。
からすけ 塾の先生たちは、ちゃんと現地の言葉で教えられるかなあ。
イチ子 日本人の先生がアジアで教えるわけじゃないわよ。塾がその国で先生を募集(ぼしゅう)して、採用(さいよう)された人たちが教えるの。
からすけ それなら先生も生徒も現地の人なんだね。
イチ子 そうよ。この春、「栄光ゼミナール」を運営(うんえい)する栄光ホールディングスはベトナムで現地の小中学生に算数・数学や英語、理科を教える教室をスタートさせるの。その教室は、現地の先生たちがベトナム語で授業をすることになっているわ。
からすけ すると、日本と同じなのは塾の名前だけかな?
イチ子 それだけじゃないわ。現地の子どもたちも、からすけと同じように、日本の塾の仕組みに従(したが)って学ぶことが多いの。例えば、生徒を個別(こべつ)に指導(しどう)する学習塾「スクールIE」を運営する拓人(たくと)(東京・中央)は2008年以降(いこう)、台湾(たいわん)、中国、韓国(かんこく)に進出しているわ。全部で30教室以上開いているけれど、どこの教室でも、子どもは日本の生徒と同じく、将来(しょうらい)の職業(しょくぎょう)などの目標(もくひょう)を決め、目標に向けて個別に指導を受けるようになっているのよ。得意(とくい)分野や苦手(にがて)分野を診断(しんだん)し、苦手な分野の克服(こくふく)に力を入れるところも日本と同じよ。
からすけ 日本の教え方を、アジアに持っていっているんだね。
イチ子 そうね。アジアでは、学校の授業の補習(ほしゅう)をする塾は増えているけど、将来の大学受験などに向けた本格的(ほんかくてき)な塾はまだないところも多いの。だから、日本の仕組みを持ちこんで、それを武器に教室を広げていくつもりなのよ。受験(じゅけん)に向けて年間の勉強スケジュールをきめ細かく定めるなど丁寧(ていねい)な「日本式」の教え方は、海外でも評判(ひょうばん)がいいみたいね。
■国内、少子化で市場縮む
からすけ アジアの子どもたちも、僕みたいに勉強、勉強の毎日になりそうだなあ。
イチ子 何を言ってるの。アジアの子どもたちは、からすけよりずっと勉強していて、テストの成績(せいせき)もいいのよ。
からすけ どういうこと?
イチ子 経済協力開発機構(OECD)という団体が、3年ごとに世界の15歳を対象に実施しているテストがあるのだけど、それによると、中国、韓国、シンガポールなどの子どもの方が、日本の子どもより高い点数をとっているのよ。世界のランキングをみると、上位はアジア勢(ぜい)が独占(どくせん)しているくらいなの。からすけもしっかり勉強しないと、いつか、ライバルたちに圧倒されるわよ。
からすけ わかったよ。僕もがんばるね。
イチ子 しっかりね。工場を建てたり、スーパー、コンビニエンスストアを出店したり多くの日本の会社がアジアに進出しているけど、これからはもっと増えるでしょうね。学習塾のように、これまで国内のお客さんだけを相手にしてきたサービス業のことを「内需型(ないじゅがた)サービス業」というの。旅行会社、結婚相談所、引っ越し会社、クリーニング店などがそうね。そうした会社は、少子化で国内市場が小さくなることに危機感(ききかん)を持っているわ。そこで、これから市場の成長が見込(みこ)まれるアジアに目を向け始めているのよ。
からすけ 塾みたいにアジアに日本のやり方を持ちこむのかな?
イチ子 そうね。日本のサービス業はお客さんの要望(ようぼう)を聞いて、きめ細かく丁寧な対応をするのが大きな武器なのよ。日本式をうまく持ち込んで、アジアで成功するといいわね。
リソース:日本経済新聞
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