ピジョンが4日発表した2013年1月期の連結決算は、純利益が前の期比44%増の45億円だった。3期連続で最高益を更新した。中国で育児用品の販売が好調だった。総還元性向50%以上という目標に基づき、年間配当は115円と、前の期比27円増やす。
連結売上高は650億円と10%増えた。中国では所得水準の向上を背景に、販売拠点を沿海部から内陸部へ広げた。個人経営が多いベビー用品専門店を中心に、販売店数は全国で約1万4千店となった。
提携する国立病院で、授乳方法や自社の商品知識についての説明活動につとめた効果が出ている。富裕層の間では高品質なブランドイメージが定着。主力製品の哺乳瓶の販売価格は現地製品よりも3~5倍高いが、安全性を重視する消費者の需要を取り込んだ。
中国の売上高は39%増の141億円となり、育児用品は「ターゲットとする層の半分以上のシェアをとれている」(佐久間隆専務)という。中国の伸びをけん引役に、育児用品だけでみると、海外の売り上げが初めて国内を逆転した。また、連結売上高に占める海外事業の比率も初めて4割を超えた。
上海市と江蘇省常州市にある2工場の稼働率が向上し、利益率の改善に貢献した。連結営業利益は41%増の70億円だった。中国工場では人件費の上昇に備え、哺乳瓶に吸い口をつける作業の機械化など生産ラインの効率化もすすんだ。
14年1月期の純利益は前期比6%増の48億円、売上高は13%増の735億円の見通し。配当は年122円を予定する。国内の育児用品は微増にとどまるが、中国の拡大が続く。中国では販売網の整備が一段落したため、ベビーフードや紙おむつなど新分野に参入し、地域売り上げは36%増の191億円を計画する。
今期は海外で、北米事業の立て直しに取り組む。保湿クリームなど母乳関連商品の販売を強化。販売開始が遅れた電動搾乳器など新製品を投入し、前期比で1割の売り上げ増を目指す。
リソース:日本経済新聞
0 件のコメント:
コメントを投稿