NTTドコモの子会社でネット広告のD2C(ディーツーシー、東京・港)は6月から、中国の著作権侵害対策を手がける行政機関と組み、中国向けのアニメ配信サイトを立ち上げる。現地の行政機関が当事者としてネット上の海賊版排除にあたることで、日本の放送局などもコンテンツを提供しやすくなる。
サイト名は「華代ネット」。TBSテレビとバンダイビジュアル(東京・品川)のアニメ計16タイトルを字幕付きでパソコン向けに無料配信し、広告収入で運営する。他の放送局、アニメ制作会社などからも作品の配信権を買い、2014年度には日本作品180タイトル、中国作品600タイトルで約95億円の売り上げを目指す。
中国の行政機関「中国版権保護センター(CPCC)」傘下の会社と共同出資で運営会社を設立した。CPCCは現地で海賊版を流すサイトに警告文書を送ったり、権利者に代わって提訴したりする。日本企業がCPCCと組むのは初めて。
12年の中国での動画配信・共有サイトの広告市場規模は約1100億円といわれ、急成長している。ただ、中国の動画共有サイトには日本のアニメなどの海賊版が氾濫。削除を要請しても対応してもらえないことが多く、日本企業は本格的な配信ビジネスを手掛けにくかった。
作品の提供元には、契約金のほかに年間アクセス数に応じて広告料の10%以上を配分する。
TBSは中国の動画共有サイトからの配信提案を断ってきたが「今回は海賊版対策に力を入れるということで参加を決めた」(吉田尚子コンテンツ販売事業部長)としている。
リソース:日本経済新聞
0 件のコメント:
コメントを投稿