2013年3月16日土曜日

有害な煙霧は年間200日以上 中国沿岸部

大気汚染でマスクをする上海の人々=1月24日(ロイター)

北京など中国沿岸の都市部で、微小粒子状物質PM2・5を含む有害な煙霧の発生が、最大で年間200日を超えている実態が15日、明らかになった。記者会見した中国環境保護省の呉暁青次官は、「短期間に新たな大気の環境基準を満たすことは困難」としており、北京などの大気汚染が長期的にほぼ恒常化することは避けられない状況だ。

中国政府は、全人代(国会に相当)で審議中の2013年度予算案に、環境対策費として、前年度実績比12・1%増の3286億4700万元(約4兆9千億円)を計上。15年までにPM2・5の濃度を全土で10年比5%引き下げる目標を掲げているが、全人代では批判が示されていた。

呉次官は、深刻な大気汚染が北京周辺をはじめ、上海一帯や広東の一部に集中していると指摘。国土面積で8%程度のこれら地域が、石炭の42%、ディーゼル油の52%を消費していることを挙げ、「荒っぽい経済発展のために、環境で重い代償を払う結果になった」と語った。

北京など3地域では、煙霧の発生が軒並み年間100日を超えている状況という。この冬の激しい大気汚染は不利な気象条件が重なったためだが、呉次官は、石炭の消費が減る夏を迎えても、煙霧が引き続き発生するとの見方を示した。

大気汚染の軽減策として、中国政府は「大気汚染防止法」の改正を急ぐとともに、国の大気観測地点を今年新たに116都市に広げる方針を示した。汚染の激しい地域では火力発電や鉄鋼、石油化学などの業界に対して、数値基準を設けて汚染物質の排出抑制を求めたことを明らかにした。

北京では15日夕現在、PM2・5の平均数値が1立方メートルあたり約300マイクログラムに達するなど、1日の平均で日本の環境基準(35マイクログラム)のほぼ7倍に達している。

リソース:産経ニュース

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