中国最大の石油会社、中国石油天然ガス集団(CNPC)は、米国で同社初となるエネルギー権益の取得を目指している。中国の大手石油3社が保有する手元資金は計約400億ドル(約3兆7200億円)に上り、各社はこの資金を利用して米国のエネルギー革命への参加を狙っている。
CNPCの蒋潔敏会長は5日、北京で開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、米国の石油資産への投資について「現在調査している」ことを明らかにした。競合する中国石油化工集団(SINOPEC)は先月、オクラホマ州の石油・ガス資産を米チェサピーク・エナジーから10億2000万ドルで取得することで合意している。
中国の石油各社は政府からの融資を利用してシェール鉱床の権益を取得することを望んでいる。米国ではシェールブームにより原油生産が21年ぶりの高水準に達し、中東産原油輸入への依存度が低下。中国海洋石油(CNOOC)は8年前、米ユノカルを190億ドルで買収することを提案したが米議会から阻止されており、この時の経験が生かされそうだ。CNOOCは先月、カナダのネクセンを151億ドルで買収する提案について米当局の承認を得た。ただ、ネクセンによるメキシコ湾の米海域での操業は制限される。
ユーラシア・グループのグローバル・エナジー・アンド・ナチュラル・リソーシズのアナリスト、ウィル・ピアソン氏(ロンドン在勤)は「米国では、中国企業による油田権益の一部取得を通じた開発への参加は歓迎されるだろう」と指摘。ただ、「完全買収については引き続き精査され、反対されることが予想される」と述べた。(ブルームバーグ Aibing Guo、Rakteem Katakey)
リソース:SankeiBiz
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