生活密着、堅い需要
日本の衣料品店や外食店が中国で出店攻勢をかける。紳士服のはるやま商事は来年1月にも上海市に中国1号店を開業。吉野家ホールディングス(HD)は牛丼店を4年後に1100店と今春の約3.5倍に増やす。沖縄県尖閣諸島を巡る問題の余波などで中国での日本車販売は2桁減が続くが、生活必需品は日系企業から買う抵抗感が小さいもようで売れ行きが回復している。国内市場が伸び悩むなか、各社は中長期的に成長が見込める中国で営業基盤を固める。
はるやまは、日本の紳士服店では青山商事やコナカに続く中国進出になる。若者向け紳士服店「P.S.FA」の1号店を上海市の大型商業施設に出し、5年後をメドに中国全土で約100店に増やす。中国では経済発展に伴って中間層のスーツ需要が伸びる見通し。日中摩擦のほか、中国景気の減速感を嫌って対中投資を控える動きもあるが「リスクを取って進出すれば中長期的に先行者利益を得られる」(治山正史社長)と判断した。
婦人カジュアル衣料のハニーズは2013年5月期、中国で前期比2割増の2000店を出す。すでに約490店を中国に持つが、店名を英語表記にするなどで「日系企業のイメージはない」(江尻義久社長)。既存店は反日デモのあった9月に続いて10月も増収。逆風はないとみて12月も日本の年間計画(25店)を上回る35店を開き、3年後の1千店体制を目指す。
吉野家HDは1992年から中国で展開している牛丼店「吉野家」を13年2月期末で約380店と1年間で約70店追加する。傘下のはなまるも、セルフ式「はなまるうどん」の出店を昨年開始。現在の8店を15年に100店に増やす。物件情報を吉野家と一部共有し効率的に出店する。キーコーヒーはパスタやケーキを売る「イタリアントマト」で中国本土への出店を今年始めた。香港に20店以上あるが、沿岸部を中心に14年度までに本土でも30店に増やす。
リソース:日本経済新聞
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