2013年1月7日月曜日

中国13年成長率は8.2%に加速、下ぶれリスク残る

中国政府系シンクタンクの中国社会科学院(CASS)は5日、2013年の中国の経済成長率が8.2%となり、今年の成長率予想7.7%から加速するとの見通しを発表した。政府による政策の効果が表れるとする一方、世界経済の不透明感により下方リスクは残ると指摘した。
社会科学院は中国経済に関する「青書」の中で、中国政府は景気を押し上げるために財政赤字の「適切な」拡大を含む積極的な財政政策を進め、経済の効率性を妨げている税を見直すべきだと指摘した。

中国政府は2013年の国内総生産(GDP)見通しをまだ示していないが、社会科学院の予測は政府の見解をある程度反映しているものとみられる。

社会科学院は「われわれは2013年の見通しについて、慎重ながらも楽観的にみている。考えられる下方リスクを警戒し、十分な政策を準備しておくべきだ」と指摘した。

中国共産党の習近平総書記も4日の政治局会議で、安定的な経済成長を実現するために2013年も経済政策の微調整を継続する意向を示している。

中国経済にはこのところ持ち直しの兆しも出ている。国家統計局が1日発表した11月の製造業購買部担当者景気指数(PMI)とHSBCが3日発表した同月の製造業PMI改定値はともに、製造業セクターの景況感の改善ペースが加速していることを示す結果となった。

社会科学院数量経済研究所の李雪松副所長は、記者会見で「中国政府は比較的大きな財政・金融政策の余地を有しており、必要ならば経済成長の安定化に向けて一段の政策を発動する可能性がある」と語った。

社会科学院はまた、増値税(付加価値税、VAT)の税率を引き下げる一方で、同税改革の対象地域とセクターを拡大することを提言している。

このほかの中国経済指標については、消費者物価指数(CPI)の上昇率が2013年に3.0%になると予想。輸出の伸び率は10%、輸入の伸び率は13.7%とそれぞれ見込んでいる。

リソース:ロイター

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