4年連続首位
中国汽車工業協会が11日に発表した統計によると、12年の新車販売台数(中国国内生産分、工場出荷ベース、商用車、輸出を含む)は11年比4.3%増の1930万6400台。米国(1449万台)を上回って、4年連続で世界最大の自動車市場となった。
これまで自動車の普及が遅れていた内陸部の中小都市までマイカーブームが広がっているが、景気減速や大都市のナンバープレート発給制限を受け、伸び率は09~10年の3~4割増からは減速。11年の2.5%増をわずかに上回る水準にとどまった。
昨年秋の沖縄県・尖閣諸島を巡る日中関係の悪化で、中国各地で日本ブランド製品の不買運動が発生し、日本メーカーは苦戦を強いられた。日産自動車、トヨタ自動車、ホンダなど各社は前年実績を割り込んだ。ただ、9月下旬を底にして前年同月比のマイナス幅は縮小しており、今年は巻き返しを狙う。
米欧韓勢が攻勢
日本勢からシェアを奪う形で、米欧韓メーカーが販売を伸ばした。米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)、韓国・現代自動車、米フォード・モーターはそれぞれ、中国で人気が高い多目的スポーツ車(SUV)の投入や値下げ、中国向け低価格車種の拡販で2ケタ増を実現した。
中国独自ブランドは明暗が分かれた。SUVで先行した長城汽車(河北省)が3割を超える成長を示し、米著名投資家のバフェット氏の出資で有名な比亜迪(BYD、広東省)を上回って中国版「ビッグスリー」の一角を占めた。スウェーデンのボルボ・カーを10年に買収した浙江吉利控股集団も高級路線で伸びた。
一方、欧米韓メーカーが10万元(約140万円)を下回る低価格車種を充実させたことから、低価格が特徴だった奇瑞汽車(安徽省)とBYDは苦戦。奇瑞汽車は2ケタの減少となり、BYDも前年並みの水準にとどまった。品質やブランド力をどう改善するのか。今後の巻き返し策に注目が集まる。
中国市場の13年の新車販売について、中国汽車工業協会は7%増の2065万台と予測する。同協会幹部は「本来ならばマイカーブームの広がりで10%成長を見込めるが、多くの都市で渋滞が深刻化している」と指摘。北京や上海、広東省広州で導入されているナンバープレート発給規制が各地に広がれば、12年並みの成長率にとどまる恐れもあるとの見方を示している。
リソース:日本経済新聞
リソース:日本経済新聞
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