通訳もできるスタッフ(左から2人目)から商品の説明を受ける台湾からの観光客
大阪市中央区で、大西岳彦撮影
帝国ホテル大阪、富裕層掘り起こし
尖閣諸島を巡る問題で中国人観光客の訪日が激減する一方で、台湾や東南アジアからの訪日観光客が急速に増えている。高成長に伴い伸びてきたアジアからの訪日観光客は11年の東日本大震災以来、低迷していたが、ここにきて回復の足取りが確かなものになっており、関係業界の期待も高まっている。【南敦子】
「日本に観光客を送り出してもらい感謝します。今後も日本への訪問が増えるよう、ご協力をお願いします」。中国での反日デモが落ち着きを見せ始めた昨年10月中旬、帝国ホテル大阪の前田康広総支配人は台北市の旅行代理店幹部に深々と頭を下げた。同ホテルは12月にも営業マンが台湾やアジア各国に出向き、富裕層の旅行需要を積極的に掘り起こしている。
昨年12月に同ホテルに宿泊した中国人観光客は前年同月に比べ59・4%と急減。10月以降、2ケタの大幅減が続く。これに対して、台湾は12月に約2・4倍となり、2カ月連続で2倍を超えた。また、高島屋大阪店では、タイ、シンガポールなど東南アジアの観光客の免税品売上高が12月に6割増と大幅に伸びた。
日本政府観光局の推計によると、12年11月の中国人観光客は日本全体で前年同月比で約4万人減ったが、台湾からは約3・7万人増えた。タイの約1・3万人を加えると、約5万人の増加となり、2カ国・地域だけで中国の減少分を補った形だ。2月には中国文化圏の旧正月「春節」休暇がスタートする。春節は中国だけでなく華僑関係者が住むアジア諸国でも祝うため「春節から春の桜の時期に向かい、一層の回復が見込まれる」と期待する声もある。
もともとアジアからの観光客にとって日本は「同じアジア圏内で近いうえ、安全とみられている。特に、日本食やショッピングなどが人気を呼んでいる」(政府観光局)という。大阪・ミナミにあるドラッグストア・コクミンで買い物していた台湾の紀翔文さん(24)は「日本はハイテクのイメージで憧れがある。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも行ってみたい」と目を輝かせる。
リソース:毎日jp
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