中国東北地方の食品ビジネスについて語るジェトロ大連の岡野部長=金沢市内で
北陸の企業が海外ビジネスの進出先として関心を持つ中国東北三省(遼寧、吉林、黒竜江)。三省を管轄するジェトロ大連事務所(遼寧省大連市)の岡野陽二市場開拓部長は二十八日、本紙のインタビューで、日本産食品を中国へ輸出する際には「中国仕様」が重要と指摘。日本食が人気の中、商標をめぐるトラブルに巻き込まれないよう早期登録の必要性を強調した。 (坂本正範)
-中国で人気の輸入日本食品は。
クッキーなど気軽に食べられる加工食品や日本酒が売れている。中国人は外食で日本食を食べるときは日本酒を飲む。大連は日本料理店は多くレベルも高いが、競争が激しいので店の淘汰(とうた)も激しい。
-今後、期待できる輸出品は何か。
現地のバイヤーは「今までにない物が欲しい」と言う。例えばかわいい形のボトルに入った日本酒。日本人なら「ふーん」と驚かなくても、バイヤーはおもしろく感じる。日本酒を飲んだことのない中国人に甘口、辛口と言うより、ボトルの形なら分かりやすい。日本と同じ商品でなく、パッケージだけ変えるとか「中国仕様」がいい。
-中国でのビジネスで大切なことは。
熱意が重要。商談会で最初から「リスクがないよう買い取ってほしい」「十三億の人口だから誰か買ってくれるでしょう」と言う日本企業がある。そうでなくて、バイヤーや消費者、皆が得になることをやりたい、という気持ちがないと厳しい。
-中国への輸出で気を付けることは。
注意すべきは商標。中国では将来売れそうと思うと、地名やお酒の銘柄など勝手に商標権をとる。商品の名前を調べて先に登録しようと、展示会で買う気もないのに日本商品の写真をパシャパシャ撮る。防ぐには先に登録するしかない。
-商機は多いか。
チャンスはあるが、必ず成功するわけではない。ある小売店は「市場が縮む日本では厳しい。同じ厳しさなら経済が伸びている国で苦労するほうがいい」と話していた。進出先は北京や上海は競争相手が多い。大連や北京に近い遼寧省の瀋陽がいいのではないか。
リソース:中日新聞
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