尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化を受け、山梨県内企業の3割が悪影響を懸念し、売り上げ減少も見込んでいることが、帝国データバンク甲府支店の調査で分かった。
同支店は「中国など海外の市場開拓や生産拠点整備を進めてきた企業にとって、その魅力が薄れつつある状況がうかがえる」としている。
調査は10月19~31日、175社を対象に行い、91社から回答を得た。それによると、自社への影響について、48・4%が「影響はない」、30・8%が「悪影響がある」とし、20・9%が「分からない」と回答(数字は四捨五入)。「好影響」は1社もなかった。
中国の政府や企業などと直接取引している企業9社に対し、具体的な影響を聞いたところ、「税関での手続き遅延」「中国への出張・渡航の自粛」「調達・仕入れの困難化」が目立った。
「分からない」以外の企業に聞いた日中関係悪化前と比べた売り上げ(通期ベース)への影響では、51・4%が「変わらない」、40・3%が「減少」と回答。「増加」は1社だった。
また、中国の魅力がどう変わったかを聞いたところ、市場の観点では35・2%が、生産拠点の観点では38・5%が、それぞれ「低下した」とした。自由意見では、「目先の利益を追求するあまり、中国に工場・技術を移転しすぎた」(機械器具卸売業)など後悔をにじませる声も相次いだ。
こうした状況を踏まえ、同支店は「(日中関係は)当面不安定な状況が予測されるため、新たな設備投資など事業展開を検討している企業は、慎重な対応が求められる」としている。
リソース:読売新聞
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