誤解を招いてはいけませんから、特に記しますが、日本の中国人社員の中には、日本人をよく観察し、日本社会になじんだ上で、すばらしい成果を挙げている方も大勢いらっしゃいます。しかし同時にうまく行っていない方も多いのです。全ての中国人がうまくいっていないと考えられてしまっては困ります。私としては、困ったケースに遭遇したとき、どうすればいいかという視点で書いているという事を、ご理解下さい。
中国人部下が暴走
ある日本の会社の本社海外事業室は、日本人室長1人、中国人社員2人という構成でした。しかし中国語がまるで分からない日本人室長は、室内の管轄を放棄してしまっていて、中国人社員が暴走しているという印象を周囲の部署に与えていました。
部下の中国人は、2人ともTPOが分からず、リゾートで着るようなワンピースを着て出社します。社長や上役が来ると2人揃っておべっかを使うということで、周囲は何も言わないものの、冷ややかな目線であったということです。
だからといって中国人2名は仲が良い訳ではありません。古参の方が仕事を抱えて渡さず、それが原因で2人の仲は悪く、新入りの方は古参の悪口を周囲の部署の日本人に話していました。「周囲が中国語を解さないのをいいことに私用国際電話を掛ける、用件がないのに出張を無理やり延長させて週末に中国の実家に帰る、仕事がないときはバイトの翻訳をやっている。」などです。但し周囲の日本人は誰も何も言いませんでした。中国人社員には出張に同行するなど、社長とのパイプがあったからです。
中国人部下の印象
上記の中国人2名は、両者とも日本の大学に留学してからこの会社に就職しています。読者の方は、「中国人社員2名に常識がない!」「日本の大学で何を勉強してきたのか!」という印象を持つかも知れません。しかしこういった情景は、十分に訓練されていない中国人社員を自由にさせた場合、発生しがちなことです。上記のトラブルの原因は、むしろ「中国人社員を管轄できない日本人室長を配属したこと」にあるのではないかと私は考えています。
確かに日本で働く中国人社員の多くは、数年間の日本の大学での経験をもっています。日本語も上手です。但し現実問題として、他国に住まう外国人にとって、文化の壁を感じるのは、利害が絡むビジネスの場に出てからです。私もそうでした
中国人部下をもつ日本人上司と話をすると、中国人部下の印象として、
(1)自分の思い通りに動こうする傾向があり管理できない
(2)公私混同している
(3)自己主張が強い
(4)TPOが分かっていない
(5)仕事の骨子は得意だが説明が欠けていたりミスが多い
(2)公私混同している
(3)自己主張が強い
(4)TPOが分かっていない
(5)仕事の骨子は得意だが説明が欠けていたりミスが多い
といった話を聞く事があります。このような問題に対して、どのように対応するのが理想的かを、今回と次回で、具体的に挙げてみます。
中国人部下の管理を、決して諦めてはならない
(1)については、「中国語ができない」という理由で、日本人上司が中国人部下の管理を諦めてしまうケースがしばしばあります。「上司の役割は、部下の管理」という原則を忘れている上司は、いかがなものかと思いますが、上司の方にアドバイスするならば、「管理の問題と、中国語の問題は別である」という事実を認識して欲しいということです。言葉ができなくても管理は十分可能です。
但し日本人が理解しなければならないのは、「A:中国人社員は自ら仕事を抱えてしまう傾向がある」「B:チームワークの概念が少なく自分の責任範囲の仕事をまっとうするという考えで動く」という傾向です。
前者Aについては、中国人の「“自分がいなければ仕事が回らない”という印象を会社に与え、自分を会社になくてはならない存在と認識させ、ポストを確実なものにしたいという思考」が、中国人が仕事を抱えてしまう原因になっています。当然これを放置した場合、仕事がうまく回らなくなることも起こり得ます。それゆえ中国人を部下にもつ場合は、日本人を部下に持つ場合以上に、「部下が何をやっているのかを把握し、仕事を割り振り、責任を明確にすること」が上司に強く求められていきます。
後者Bについては、以前拙稿で触れたように中国人にとっての「責任」が「個人単位」であり、「共同で責任を負うという概念がない」ことが基礎になります。ですから上司は「個々の部下の責任」と、「やってはならないこと」を明確にする必要もあるのです。
それぞれの中国人部下に、プロジェクト別の作業一覧と状況を提出させ、その上で部下に仕事を割り振り、割り振った仕事に対しての責任を求めていけば、中国語ができなくても十分管理はできるのです。
リソース:日経BPネット
但し日本人が理解しなければならないのは、「A:中国人社員は自ら仕事を抱えてしまう傾向がある」「B:チームワークの概念が少なく自分の責任範囲の仕事をまっとうするという考えで動く」という傾向です。
前者Aについては、中国人の「“自分がいなければ仕事が回らない”という印象を会社に与え、自分を会社になくてはならない存在と認識させ、ポストを確実なものにしたいという思考」が、中国人が仕事を抱えてしまう原因になっています。当然これを放置した場合、仕事がうまく回らなくなることも起こり得ます。それゆえ中国人を部下にもつ場合は、日本人を部下に持つ場合以上に、「部下が何をやっているのかを把握し、仕事を割り振り、責任を明確にすること」が上司に強く求められていきます。
後者Bについては、以前拙稿で触れたように中国人にとっての「責任」が「個人単位」であり、「共同で責任を負うという概念がない」ことが基礎になります。ですから上司は「個々の部下の責任」と、「やってはならないこと」を明確にする必要もあるのです。
それぞれの中国人部下に、プロジェクト別の作業一覧と状況を提出させ、その上で部下に仕事を割り振り、割り振った仕事に対しての責任を求めていけば、中国語ができなくても十分管理はできるのです。
リソース:日経BPネット
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