2012年12月3日月曜日

過去最大級の展示ブースで挑む日本車メーカー 広州モーターショー

開幕した「広州モーターショー」で壇上に上がって記者会見するトヨタ自動車やグループ企業の幹部ら
=22日、中国広東省広州市(河崎真澄撮影)
 
【広州=河崎真澄】22日に中国広東省の広州市で開幕した「広州モーターショー」。沖縄県の尖閣諸島問題をめぐって頻発した反日デモで、中国での派手な宣伝や販促活動を手控えてきた日系メーカー各社だが、今回はあえて過去最大級の展示ブース面積を確保している。大きく落ち込んだ中国市場での販売回復に、「反転攻勢をかける」(マツダの山田憲昭常務)勢いだ。
 
「中国最重要!」。トヨタ自動車の大西弘致専務は、同日の記者会見でカタコトの中国語でこう気勢を上げた。
 
今年1900万台の販売が見込まれる世界最大の自動車市場の中国。9月の反日デモ以降、日系自動車メーカーが存在感をアピールできる初のイベントになった「広州モーターショー」は世界の自動車メーカーにとっても主戦場だ。主催者は、12月2日までの会期中に50万人もの入場者を見込む。
 
その舞台で、トヨタの大西専務は「困難な今こそ中国を愛し、中国のためにけしてぶれることなく事業を続ける」と強調した。日産も中国市場専用ブランド「ヴェヌーシア」の電気自動車の量産モデルを初公開し、ホンダは2014年にハイブリッド車を中国で生産する計画を明らかにしている。
 
中国自動車工業協会によると、10月の日系メーカーの新車(乗用車)販売台数は前年同月比59.4%のマイナスになった。
 
マツダの山田常務は「10月から11月にかけて販売台数は回復傾向にあり、来年4~6月期には平常に戻るのではないか」と期待感を示すが、大きく落ち込んだ日本ブランド車の販売回復は容易ではない。
 
華僑向け通信社の中国新聞社電によると、新車購入を検討している中国の消費者のうち、日本ブランド車を検討している人の割合は4.6%(11月初めの北京での調査)で、前月の同35.7%から急下降した。
 
さらに、「販売実績に応じて歩合制で収入が増える販売店の営業マンの退職が相次いでいる」(大手メーカー幹部)状況で、営業マンの引き抜きも目立っている。広東省のあるドイツ系販売店では営業マンの半数以上が、日系メーカー販売店からの転職組というケースもあるという。
 
また、中国紙、中国証券報は「韓国系の北京現代が、広東省で日産系の販売特約店5店を自社向けにくら替えさせた」と報じた。販売実績の落ち込みと回復の遅れ、で販売店の一部が、日本車に見切りをつけ始めた格好だ。
 
その北京現代は22日の記者会見で、今年7~9月期の販売台数が前年同月比で8%増え、過去最高になったことをアピール。米ゼネラル・モーターズ(GM)も10月の販売台数が同月の過去最高を更新しており、反転攻勢のハードルは低くない。
 
リソース:MSN産経ニュース

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