【深セン(中国広東省)=桑原健】中国共産党の習近平総書記は8日、最初の地方視察として広東省深セン市を訪問した。トウ小平氏の改革開放政策の象徴ともいえる深セン市を視察先に選び、共産党の新指導部として改革開放政策を受け継いでいく姿勢を内外に示した。
習氏は8日午前、深セン市内の漁民村などを訪れた。かつては貧しい漁村だったが、現在は豊かな市街地となっている地域。住民らと交流したほか、市内にあるトウ氏の銅像にも出向いた。
深セン市の視察は7日午後から。同日は香港や外国の金融機関などを誘致する前海地区と、中国を代表するインターネット企業の騰訊控股(テンセント)の本社を見学した。8日午後以降は広州市を視察する見通し。
習氏周辺は多数の警察が警備しているが、道路封鎖などを伴う従来の党総書記の視察ほど、厳重ではない。習氏は4日の党政治局会議で、指導者が視察する場合の交通規制の簡素化などを打ち出していた。
習氏が最初の視察先に選んだ深セン市は改革開放政策によって1980年に最初の経済特区となり、税制優遇などによる海外企業の誘致で発展した。最近では繊維関連など労働集約型の産業が行き詰まり、産業構造の転換を急いでいる。
リソース:日本経済新聞
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