香港政府は、中国本土から越境して粉ミルクなどを買いあさる運び屋の急増を巡り、粉ミルクの輸出原則禁止を柱とする対策を発表した。運び屋の横行は中国本土に対する反感を一段と高めており、香港政府は新たな対応策を迫られた。
香港政府は輸出入条例の改正案を政府の諮問機関である行政会議に近く諮る方針。関係業界の意見なども聞いたうえで、月内成立を目指す考えだ。原則としてモノの流れを規制しない自由貿易港の香港で、特定の日用品を禁輸とするのは異例。
香港政府の高永文・食物衛生局長は「運び屋により、粉ミルクの需給はバランスを失ってしまった」と指摘。個人が持ち出せる量も標準サイズ2缶分に制限する。粉ミルク不足が一部で深刻になっており「やむを得ぬ措置」(高局長)としている。
香港政府が約77%を出資する香港鉄路(MTR)も4日から、広東省深セン市とつながる東鉄線の車内に持ち込める荷物の重量を現行の32キロから23キロに引き下げる。駅や列車内での監視態勢を強化する。香港の公安当局も、深センの公安当局と連携し、運び屋の取り締まりを強める。(香港=川瀬憲司)
リソース:日本経済新聞
0 件のコメント:
コメントを投稿