【北京=森安健】中国国務院(政府)は6日、温家宝首相が主宰する常務会議を開き、自動車燃料の品質基準を段階的に引き上げる方針を決めた。2017年末までに欧州並みの規制を導入する。これまでは石油業界の反対で規制強化は遅れていた。大気汚染への市民の不満の広がりを受けて、対応が必要だと判断した。
中国が現在、全国で運用している燃料基準は「国3」と呼ばれ、硫黄含有量を150PPM(1PPMは100万分の1)まで許容する。国務院は排出基準が3倍厳しい「国4」(50PPM)を14年末までに全国で実施し、さらに欧州の排ガス規制「ユーロ5」に相当する「国5」(10PPM)を17年末までに義務づけることを決定した。
現在、北京市だけは欧州並みの硫黄基準を導入しているが、その他の地域は大幅に緩い規制のまま。中国全土を覆っている大気汚染は自動車の排出ガスが主な原因とみられており、市民からは対策を求める声が日増しに強まっている。
規制強化が遅れていたのは石油業界が反対していたためだとみられる。「国4」を導入するだけで数千億円単位の設備投資が必要とされる。
リソース:日本経済新聞
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