2013年2月27日水曜日

中国政府、不動産税の対象を拡大 価格上昇の抑制狙う

【北京=大越匡洋】中国国務院(政府)は20日、温家宝首相が主宰する常務会議を開き、不動産市場の引き締め策を強化する方針を決めた。現在は上海、重慶両市で試行している不動産税(固定資産税の一種)の対象地域を拡大するほか、大都市に対し価格抑制目標の設定を求める。大都市を中心に不動産価格の上昇に歯止めがかからないことが背景にある。

中国政府は投機的な住宅購入を抑えるため、2010年春から2軒目以降の住宅を買う場合に住宅ローンの頭金比率を高めるといった引き締め策を導入している。ただ、足元で景気が上向く兆しをみせるなか、投資マネーがいち早く不動産市場に流入し、価格の上昇傾向が続いている。

中国政府は今回、「不動産市場の引き締め強化を着実に実行し、投機的な住宅投資を抑える」と強調し、保有する不動産にかかる不動産税の試行地域の拡大を決めた。上海、重慶両市で約2年にわたり試行しているが、これまで富裕層の反対が根強く、対象地域の拡大に踏み切れなかった。

中国政府は新たに試行する具体的な地域や実施時期を示しておらず、「短期間で対象を急拡大することは難しい」(民間シンクタンクの中国指数研究院)との指摘も既に出ている。

ただ、試行地域に含まれると不動産を保有しているだけで課税されるため、居住目的以外に住宅を買う動きをけん制する効果は見込める。

このほか直轄市や省都など大都市に対し、年間の住宅価格の抑制目標の設定を求める。低所得者向けを中心に住宅供給を増やし、価格上昇の抑制も目指す。中国政府は内需拡大に向け、立ち遅れた農村の都市化を進めているが、これが住宅価格の上昇を地方に波及させる結果も招いている。

リソース:日本経済新聞

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