[上海 19日 ロイター] 中国人民銀行の易綱副総裁の発言を受けて、人民元の変動幅が近く拡大されるとの観測が高まっているが、国内投資家は懐疑的な見方を示している。
人民銀の易綱副総裁は今週ワシントンで、人民元の変動幅が近い将来に拡大される可能性があると発言。UBSのアナリスト、マニク・ナライン氏とジェフリー・ユー氏(ロンドン)は72時間以内にも人民銀が元の許容変動幅を広げる可能性があると指摘していた。
だが中国の市場関係者は、前回変動幅が変更された2012年4月当時と比べて、報道機関の扱いも控えめにとどまっており、近く変更される公算は小さいと指摘している。
国営の新華社も、副総裁の発言については、目立たないところに一行だけさらりと触れる程度だった。
前回の変更時は、国営メディアが当時の温家宝首相など当局幹部の声明を報じたり、基準値の調整を行うなどして、事前に変動幅変更のシグナルを送っていたが、今回はこうした一連の手掛かりがないという。
上海の銀行のあるトレーダーは「これは20カ国・地域(G20)会合を控え、人民元切り上げを求める政治的圧力をかわすためのやり方」とし、「人民銀が基準値の設定を通じて相場を事実上管理している限り、変動幅を拡大しても意味がない」と指摘した。
リソース:ロイター
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