レナウンは12日、中国繊維大手の山東如意科技集団(山東省)グループを引受先とした第三者割当増資を実施すると発表した。山東如意グループの出資比率は41%から53%になり、レナウンは同グループの連結子会社になる。2010年に山東如意の出資を受けて中国事業の拡大を目指したが、苦戦。ライセンス事業主体の戦略に転換することで立て直すとともに、日本国内の出店増などで再建への道筋を確かなものにする狙いがある。
レナウンは5月末以降、山東如意の親会社である済寧如意投資を引受先に第三者割当増資を実施する。済寧如意の出資額は約29億円。調達資金は主に国内のショッピングセンターへの出店に使う。主力のカジュアル衣料品ブランド「アーノルドパーマータイムレス」の店舗数を15年2月末までに約2倍の100店以上にする。レナウンの北畑稔社長は「山東如意の考えが主戦場の日本をしっかり守ってほしいという方向に変わってきたようだ」と説明する。
レナウンは山東如意の傘下入り後の3年間で「不採算なブランドや店舗を整理・撤退し、一定の効果があった」(レナウンの北畑社長)。14年2月期には5億円の営業黒字を見込み、16年2月期までに15億円以上の営業利益の確保を目指す。
中国戦略では従来の大量出店の方針を転換、現地の衣料品メーカーや流通企業などに自社が持つ衣料品ブランドの使用権を与えて利益を得るライセンス事業に軸足を置く。山東如意の国際的な販売網を生かしてライセンス供与先を開拓。「アジアやアフリカ、欧州に目を向け、ライセンス事業を検討する」(北畑社長)
山東如意は新たに2人の取締役を派遣し、レナウンの取締役の過半を握る。北畑社長は「これまでも深い関係にあり、今後も機動的な経営に協力してもらえると考えている」と言うが、同社の経営再建に対する目はより厳しくなるはずで、今回の増資による今後のテコ入れ策の成否がレナウンの命運を握る。
リソース:日本経済新聞
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