2013年4月20日土曜日

中国の地方政府 トップの評価、成長率と直結

▽…中国の地方政府は省級、市級、県級、郷鎮級に大きく分かれる。そのうち省級は33で、北京市や上海市など直轄市が4市、省が22省、チベット自治区など自治区が5区、香港など特別行政区が2区ある。2011年末時点で、省級の下の市級政府は332、県級は2853、郷鎮級は4万466存在する。


▽…地方政府のトップは市長や省長ではなく、各地区の共産党委員会書記が務める。共産党の中央指導部入りには地方政府で実績をあげる必要がある。例えば、習近平共産党総書記は浙江省などで党委書記を務めた。幹部の人事評価は域内総生産(GDP)成長率をどれだけ高めたかが重視され、地方政府間で成長テコ入れの競争が起きやすい。ただ地方政府は慢性的な財源不足に加え、財政規律の維持を目的に地方債の発行も原則禁止されている。このため傘下の地方融資平台(資金調達のためのプラットフォーム会社)を利用した資金調達が横行している。

▽…融資平台は地方政府の担保提供などを利用して銀行から融資を受けるほか、独自の債券も発行。12年の発行額は前年の2倍以上に上った。10%前後の高利回りで個人などから資金を集める「理財商品」の運用先には融資平台の債券も組み込まれ、短期で集めた資金を長期のインフラ投資に流し込む仕組みが複雑に絡み合う。資金の鎖が途切れれば、金融不安が地方政府の信用不安に飛び火しかねず、実体経済にも悪影響が及ぶリスクを指摘する声が出ている。

リソース:日本経済新聞

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