2013年4月20日土曜日

酒々井アウトレット開業 商圏600万人、アジア誘客も


大型商業施設の「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県酒々井町)が19日、開業した。衣料品や雑貨、飲食店など121店をそろえ、県内のほか、都内や茨城県などから年間350万人の集客を見込む。地元は観光振興や知名度の向上に期待を寄せる一方、相次ぐ大型店開業で、商業施設間の競争は激しさを増しそうだ。

「ブランド物は千葉市のアウトレットや百貨店まで出かけていた。これからは近場で買える」。家族と訪れた酒々井町在住の女性(27)は喜ぶ。

酒々井アウトレットは成田空港から車で10分ほど。東関東自動車道を使えば都内からでも50分と近い。江戸川区から来た男性(65)は「平日のせいか30分で着いた」と驚く。運営する三菱地所・サイモン(東京・千代田)は成田市など千葉県北部を中心に都内や茨城県の南部までを商圏に想定、商圏人口は600万人とする。

地元は集客力に期待。酒々井町はフードコートの一角を借り名産品や観光施設を紹介する。小坂泰久町長は「買い物を機に町内の名所旧跡を巡ったり、お土産を購入したりしてほしい」といい、同町にある酒造大手、飯沼本家の飯沼喜市郎社長も「開業で町の知名度が高まる」と歓迎する。

アウトレットから車で30分程度の成田ゆめ牧場(成田市)はソフトクリームやヨーグルトなどの店を出し、物販をきっかけに来場につなげる。

成田空港に近く外国人観光客の来場も見込まれるため、空港との間を結ぶ路線バスや外貨両替所も整備した。開業式に参加した成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は「成田空港に中国などアジアからの観光客を引き付ける、新たな目玉施設になる」と期待している。

三井「最大80%オフ」 大型連休控え各店対抗策

酒々井アウトレットの開業はブランド品を扱う他のアウトレット店や百貨店にとっては打撃だ。大型連休を控え、各店は対抗策を取る。

三井アウトレットパーク幕張(千葉市)と同木更津(木更津市)は19日、「最大80%オフ」を目玉にした割引セールを始めた。「幕張は電車の来場者が中心で、木更津は商圏が重ならない」(運営する三井不動産)と影響はないとの立場だが、酒々井アウトレットの開業日にセールを始めて対抗する形だ。

そごう千葉店(千葉市)は24日から期間限定で市内の博物館や動物公園などと連携した集客策を実施する。各施設でそごうのカード会員向けにボールペンなどをプレゼントし、同店のイベントを告知。そごう千葉店では動物園など各施設利用者にペットボトルホルダーを贈り、互いに送客する。

木更津市では三井アウトレットパークの開業後、ホームセンターや大型家具店などの開店が相次いだ。酒々井アウトレットの近くでは開業直前に高速道路のインターチェンジが開通。区画整理区域に立地して開発用地も多いためアウトレットを核に商業施設の集積が進みそうだ。

リソース:日本経済新聞

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