ファナックが26日発表した2013年3月期連結決算は、純利益が1204億円で前の期比13%減った。中国の工作機械の需要が低迷し、利益率の高い数値制御(NC)装置が落ち込んだ。減益は3期ぶり。もうひとつの柱である、米アップルの「iPhone」(アイフォーン)向けの加工機械の販売が前期下期から減速。足元も低調気味で、13年4~9月期の売上高は前年同期比23%減、純利益は同39%減を見込む。
前期の売上高は7%減の4983億円、営業利益は17%減の1848億円だった。主因はNC装置を含むファクトリーオートメーション(FA)部門の減速だ。同部門の売上高は25%減の2001億円。世界で設備投資を抑える動きが広がり、中国などアジアで工作機械の需要が昨夏から落ちた影響が出た。
一方、iPhoneのアルミケースの加工などに使うロボドリルは伸びた。特に電子機器の受託製造サービス(EMS)最大手、台湾の鴻海精密工業向けの出荷が増加。ファナック全体に占める鴻海向けの売上高比率が初めて10%を超えた。
鴻海向けの売上高は869億円で、ロボドリルを含む事業部門の売上高は1791億円。ファナックの収益が直接的には鴻海、間接的にはアップルの動向に左右されやすくなっていることが浮き彫りになった。
ロボドリルの足元の販売には急ブレーキがかかっている。アップルが昨年9月に発売した「iPhone5」の販売が伸び悩み、EMSの設備投資が一巡したのが原因だ。ファナック側も下期に海外でロボドリルの売り上げが急激に落ち込んだと説明している。
この傾向は今期も続きそうだ。同社は期初段階では上期のみの業績予想を開示しており、売上高が2020億円、純利益は410億円。アップルによる新型iPhoneの発売が遅れ、EMSの設備投資の持ち直しにも時間がかかるとの見方が株式市場で出ている。
リソース:日本経済新聞
2013年4月30日火曜日
西松屋、中国製比率7割に下げ 国内調達を拡大
西松屋チェーンはアジアからの商品仕入れを拡大する。これまでは主に中国から衣料品や雑貨を調達しているが、インドネシアとベトナム、バングラデシュからも調達し始めた。現在は同社製品の9割を中国製が占めているが、中国以外のアジア各国からの調達で3年以内に中国製の比率を7割台に引き下げる。
西松屋は子ど…
リソース:日本経済新聞
西松屋は子ど…
リソース:日本経済新聞
TDK、中国で希土類磁石 現地企業と合弁
TDKは26日、中国でレアアース(希土類)を使う磁石を製造する新会社を現地企業との合弁で設立すると発表した。レアアースを原料とする高性能磁石はハイブリッド車などで需要増が見込まれる。中国が世界生産の大半を占めるレアアースは代替原料の開発も進んでいる。ただ、TDKは中国で材料の調達から磁石の生産まで一貫した体制を整え、製品供給の安定化を図る狙いだ。
新会社の名称は「広東東電化広晟稀土高新材料」。資本金は3300万ドル(約32億円)で5月中に中国・広東省で設立する。出資比率はTDKが59%、レアアースの製造・販売を手掛ける広晟有色金属が37%、日本の東海貿易が4%となる。
新会社はエコカーなどのモーターに使う高性能のネオジム磁石を生産する。中国で産出するジスプロシウムを現地で添加剤として安定調達し、中国産の低価格品に対抗する狙いだ。
中国での高性能磁石生産を巡り、TDKは昨年、昭和電工との合弁事業を検討。日本の経済産業省が技術移転の規制に動いたため、いったん中止していた。TDKは日中両国政府から合弁会社の設立、運営に必要な許認可が得られなければ「今回の合弁会社を解散する場合もある」といる。
またTDKは同日、ブルーレイ・ディスク(BD)関連事業を14年3月までに中止すると発表した。売却か事業譲渡かなどはこれから詰める。
リソース:日本経済新聞
新会社の名称は「広東東電化広晟稀土高新材料」。資本金は3300万ドル(約32億円)で5月中に中国・広東省で設立する。出資比率はTDKが59%、レアアースの製造・販売を手掛ける広晟有色金属が37%、日本の東海貿易が4%となる。
新会社はエコカーなどのモーターに使う高性能のネオジム磁石を生産する。中国で産出するジスプロシウムを現地で添加剤として安定調達し、中国産の低価格品に対抗する狙いだ。
中国での高性能磁石生産を巡り、TDKは昨年、昭和電工との合弁事業を検討。日本の経済産業省が技術移転の規制に動いたため、いったん中止していた。TDKは日中両国政府から合弁会社の設立、運営に必要な許認可が得られなければ「今回の合弁会社を解散する場合もある」といる。
またTDKは同日、ブルーレイ・ディスク(BD)関連事業を14年3月までに中止すると発表した。売却か事業譲渡かなどはこれから詰める。
リソース:日本経済新聞
企業、大幅減速 昨年2.6%増益 4年ぶり低水準
鉄鋼・海運、供給過剰深刻に
中国企業の業績が低迷している。2012年12月期の上場企業の純利益の前の期比伸び率は2.6%にとどまり、リーマン・ショックのあった08年12月期以来4年ぶりの低い伸びとなった。海運や鉄鋼、セメントなどで供給過剰が深刻になり、多額の最終赤字を計上した。株価は年初来の安値水準に下がっており、上場企業の業績回復の足取りは鈍いとの見方が広がっている。
中国企業の決算期末はすべて12月末…
リソース:日本経済新聞
中国企業の業績が低迷している。2012年12月期の上場企業の純利益の前の期比伸び率は2.6%にとどまり、リーマン・ショックのあった08年12月期以来4年ぶりの低い伸びとなった。海運や鉄鋼、セメントなどで供給過剰が深刻になり、多額の最終赤字を計上した。株価は年初来の安値水準に下がっており、上場企業の業績回復の足取りは鈍いとの見方が広がっている。
中国企業の決算期末はすべて12月末…
リソース:日本経済新聞
鉄鉱石価格、中国鋼材需給の緩和観測を背景に下落-安値圏で推移
高炉の製鉄原料となる鉄鉱石の価格が鋼材需給緩和観測を背景に下落している。国際指標となる中国向け鉄鉱石のスポット(随時契約)価格は足元でトン当たり134ドル前後で、2月下旬に比べ15%ほど安く、年初来安値圏で推移。「中国の不動産投資規制の強化や金利引き上げ観測などを受け鋼材需要の減退懸念が強まった。鉄鋼製品在庫の水準が高いことも圧迫材料」(マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表取締役)との指摘があった。
中国鋼鉄工業協会(CISA)推計によると、同国の3月上旬の日当たり粗鋼生産は208・5万トンと200万トンを超え、2月下旬に比べ2・5%増えた。鉄鋼製品在庫は2079万トンと2000万トン台に乗せ増加。このため「鉄鋼製品価格が軟化し、相関性の高い鉄鉱石価格への下げ圧力が高まった」(新村氏)。
中国では中小の鉄鋼メーカーを中心に増産基調が続き、供給過剰が市況を圧迫する構造が続いている。
リソース:日刊工業新聞
中国鋼鉄工業協会(CISA)推計によると、同国の3月上旬の日当たり粗鋼生産は208・5万トンと200万トンを超え、2月下旬に比べ2・5%増えた。鉄鋼製品在庫は2079万トンと2000万トン台に乗せ増加。このため「鉄鋼製品価格が軟化し、相関性の高い鉄鉱石価格への下げ圧力が高まった」(新村氏)。
中国では中小の鉄鋼メーカーを中心に増産基調が続き、供給過剰が市況を圧迫する構造が続いている。
リソース:日刊工業新聞
NY綿花2カ月ぶり安値 中国の過剰在庫響く
衣料原料となる綿花の国際価格が下落し、ほぼ2カ月ぶりの安値を付けた。指標となるニューヨーク先物価格(期近、終値ベース)は現在、1ポンド(約453グラム)80セント台前半となっており、直近高値の3月15日に比べ1割安い。最大の輸入国である中国から欧州への綿製品輸出が振るわないうえ、中国の過剰在庫が弱材料視されている。
中国では春節(旧正月)後の繊維製品の荷動きが鈍い。製品輸出が…
リソース:日本経済新聞
中国では春節(旧正月)後の繊維製品の荷動きが鈍い。製品輸出が…
リソース:日本経済新聞
2013年4月29日月曜日
中国ZTE、4Gとスマートフォン拡大で通年黒字を見込む
中国第2位の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)(0763.HK: 株価,
企業情報, レポート)(000063.SZ: 株価, 企業情報, レポート)は26日、第1・四半期の純利益が前年同期比で35.9%伸びたと公表したうえで、通年でも黒字になるとの見通しを示した。
スマートフォン(多機能携帯電話)の販売増と中国国内の第4世代(4G)ネットワーク市場の拡大が利益に貢献すると見られる。ZTEは昨年上場以来初めての通年赤字を計上している。
1─3月期の純利益は2億0500万元(3300万ドル)となり、前年同期の1億5090万元から増加した。昨年末の資産売却が主な増益要因。ロイターが調査したアナリスト3人の予想である2億2000万元は下回った。
同社の端末事業のトップである何士友(フー・シーヨウ)執行副社長は北京でロイターに、2028年頃までには携帯端末の総売上に占める比率を昨年の31%から50%以上に上げることを目指すと述べた。
リソース:ロイター
円安GW 国内観光地活況
27日始まったゴールデンウイーク。今年は円安の影響で割高となる海外旅行は伸び悩み、近場の観光地が人気を集めている。外国人の姿も目立ち、各地の観光関係者は例年以上の人出に期待を寄せている。
連休初日の名古屋城は大勢の観光客でにぎわい、天守閣などにカメラを向ける外国人の姿もあった。名古屋城総合事務所によると、今年になって台湾や香港、タイなどのツアー客が増え始め、先月の総入場者数は昨年同月比で1割以上増えた。同僚3人と訪れた岐阜県大垣市、会社員岡田浩史さん(26)は「PM2・5(微小粒子状物質)や鳥インフルエンザなどの問題もあるので身近な魅力を探してみようと思った」と話した。5月3日には岐阜県の白川郷に行く予定という。
「飛騨の小京都」とも呼ばれる岐阜県高山市。今年の連休は3日間の平日が挟まって並びが悪く、宿泊客の減少も懸念されたが、温泉旅館「四季彩の宿 萩高山」の連休中の予約は満室という。女将(おかみ)の住(すみ)育乃さんによると、今年に入って予約客が増えているといい、「東日本大震災前に戻ったような活気を感じる」と手応えを語った。
式年遷宮を控えた伊勢神宮(三重県伊勢市)も大勢の観光客が詰めかけた。近くにある菓子店「三ツ橋ぱんじゅう」の男性経営者(50)は「今年は例年よりお客さんが多い。あすはもっと増えてくれるはず」。三重県観光連盟によると、伊勢神宮のほか、伊賀流忍者博物館(伊賀市)なども人気だという。
一方、百貨店も好調だ。名古屋三越栄店では、アジアからの客を中心に高級腕時計などが人気で、4月の免税品の月別売り上げが過去最高を記録。名鉄百貨店も「大型連休でさらなる集客を」と期待する。
旅行会社大手日本旅行によると、連休中の海外旅行の予約は対前年比で15%以上減った。特に中国への旅行が9割以上、韓国も4割以上落ち込み、代わりに国内旅行は対前年比で約1割の増加という。
リソース:読売新聞
連休初日の名古屋城は大勢の観光客でにぎわい、天守閣などにカメラを向ける外国人の姿もあった。名古屋城総合事務所によると、今年になって台湾や香港、タイなどのツアー客が増え始め、先月の総入場者数は昨年同月比で1割以上増えた。同僚3人と訪れた岐阜県大垣市、会社員岡田浩史さん(26)は「PM2・5(微小粒子状物質)や鳥インフルエンザなどの問題もあるので身近な魅力を探してみようと思った」と話した。5月3日には岐阜県の白川郷に行く予定という。
「飛騨の小京都」とも呼ばれる岐阜県高山市。今年の連休は3日間の平日が挟まって並びが悪く、宿泊客の減少も懸念されたが、温泉旅館「四季彩の宿 萩高山」の連休中の予約は満室という。女将(おかみ)の住(すみ)育乃さんによると、今年に入って予約客が増えているといい、「東日本大震災前に戻ったような活気を感じる」と手応えを語った。
式年遷宮を控えた伊勢神宮(三重県伊勢市)も大勢の観光客が詰めかけた。近くにある菓子店「三ツ橋ぱんじゅう」の男性経営者(50)は「今年は例年よりお客さんが多い。あすはもっと増えてくれるはず」。三重県観光連盟によると、伊勢神宮のほか、伊賀流忍者博物館(伊賀市)なども人気だという。
一方、百貨店も好調だ。名古屋三越栄店では、アジアからの客を中心に高級腕時計などが人気で、4月の免税品の月別売り上げが過去最高を記録。名鉄百貨店も「大型連休でさらなる集客を」と期待する。
旅行会社大手日本旅行によると、連休中の海外旅行の予約は対前年比で15%以上減った。特に中国への旅行が9割以上、韓国も4割以上落ち込み、代わりに国内旅行は対前年比で約1割の増加という。
リソース:読売新聞
海外進出先、東南アジア人気…中国リスク回避
県内企業が海外進出先として希望する地域は、タイが35・2%と最も多く、ベトナム、インドネシアなどの東南アジア諸国の人気が高いことが、県の「県内企業海外展開動向調査」でわかった。リスク回避などのため、「チャイナプラスワン」を志向する動きが目立つという。
調査は、県内企業の海外展開支援の方向性を探るため、県内中小企業855社を対象に今回初めて行われた。調査期間は2012年11月~13年1月で、50・8%にあたる434社から回答を得た。このうち、73・6%の企業がすでに海外展開しており、9・3%が「計画や興味がある」と回答した。形態は「現地生産」(52・2%)が最も多く、「輸出(商社等経由を除く)」(47・5%)、「輸入(同)」(42・4%)が続いた。
今後進出を希望する地域はタイに続き、ベトナム、インドネシア(ともに25・9%)の人気が高かった。一方、1月にアルジェリアで武装勢力による人質事件が起きたアフリカは1・9%にとどまった。
県国際ビジネス課によると、タイは親日的で穏やかな国民性、インドネシアは人口が世界4位(約2億4000万人)で中間所得層が増えていることが人気の理由という。同課の担当者は「近くて人件費が安く、将来性が高い東南アジア諸国への進出は今後も続くのでは」と分析している。
リソース:読売新聞
調査は、県内企業の海外展開支援の方向性を探るため、県内中小企業855社を対象に今回初めて行われた。調査期間は2012年11月~13年1月で、50・8%にあたる434社から回答を得た。このうち、73・6%の企業がすでに海外展開しており、9・3%が「計画や興味がある」と回答した。形態は「現地生産」(52・2%)が最も多く、「輸出(商社等経由を除く)」(47・5%)、「輸入(同)」(42・4%)が続いた。
今後進出を希望する地域はタイに続き、ベトナム、インドネシア(ともに25・9%)の人気が高かった。一方、1月にアルジェリアで武装勢力による人質事件が起きたアフリカは1・9%にとどまった。
県国際ビジネス課によると、タイは親日的で穏やかな国民性、インドネシアは人口が世界4位(約2億4000万人)で中間所得層が増えていることが人気の理由という。同課の担当者は「近くて人件費が安く、将来性が高い東南アジア諸国への進出は今後も続くのでは」と分析している。
リソース:読売新聞
第1四半期の中国の鉱工業部門企業利益、前年比+12.1%
中国国家統計局が27日に発表した2013年第1・四半期の同国の鉱工業部門企業利益は、前年同期比で12.1%増の1兆1700億元(約1897億8000万ドル)となった。国家統計局がウェブサイト(www.stats.gov.cn)で発表した。
3月の鉱工業部門企業利益は4649億元で前年同月比5.3%増。
2012年通年は5.3%増の5兆6000億元と、やや低調だったが、17.3%増を記録した12月以降回復の兆しが見え始めている。
2013年第1・四半期には、国家統計局が調査した41セクターのうち、29セクターが増益となり、9セクターが減益だった。また、2セクターが黒字化を報告、残りの1セクターは赤字の縮小を報告した。
増益だったのは鉄類溶錬・圧延、発電・光熱、コンピューター・通信機器・電子機器製造。減益は採炭や鉄類採掘などの各セクターだった。
リソース:ロイター
3月の鉱工業部門企業利益は4649億元で前年同月比5.3%増。
2012年通年は5.3%増の5兆6000億元と、やや低調だったが、17.3%増を記録した12月以降回復の兆しが見え始めている。
2013年第1・四半期には、国家統計局が調査した41セクターのうち、29セクターが増益となり、9セクターが減益だった。また、2セクターが黒字化を報告、残りの1セクターは赤字の縮小を報告した。
増益だったのは鉄類溶錬・圧延、発電・光熱、コンピューター・通信機器・電子機器製造。減益は採炭や鉄類採掘などの各セクターだった。
リソース:ロイター
2013年4月24日水曜日
中国版新幹線、時速300キロで運行開始 ハルビン―大連
中国東北部のハルビン(黒竜江省)―大連(遼寧省)間を結ぶ高速鉄道(中国版新幹線)が21日、夏季ダイヤに移行し、昨年12月の開業以来初めて最高時速300キロで運行し始めた。最低気温がマイナス40度まで下がる寒冷地を走る中国最北部の新幹線で、冬季は時速200キロに抑えて運転していた。
5時間18分かかった両都市間の移動は3時間半に短縮され、観光・ビジネスの拡大が期待される。ハルビン―大連は1930年代~40年代に日本の南満州鉄道(満鉄)の特急「あじあ号」が走った区間。当時は両都市を12時間半で結んでいた。
リソース:日本経済新聞
5時間18分かかった両都市間の移動は3時間半に短縮され、観光・ビジネスの拡大が期待される。ハルビン―大連は1930年代~40年代に日本の南満州鉄道(満鉄)の特急「あじあ号」が走った区間。当時は両都市を12時間半で結んでいた。
リソース:日本経済新聞
OKI営業益2倍220億円 今期、中国・ロシアでATM好調
OKIの2014年3月期は、連結営業利益が前期推定に比べ2倍近い220億円になる見通しだ。ATM事業で中国での販売の好調が続くほか、ロシアやインドネシアなどで新規の納入が本格化する。赤字だったプリン…
リソース:日本経済新聞
リソース:日本経済新聞
ヤマダ電機、中国・南京店を閉鎖 残る2店は継続
ヤマダ電機は22日、中国にある南京店(南京市)を5月末で閉鎖すると発表した。2012年3月に開店したが、想定よりも売上高が低迷していた。沖縄県・尖閣諸島問題に端を発する日本製品の不買運動も響いたとしている。中国に残る2店は営業を続けるという。
閉鎖する南京店は店舗面積が1万6000平方メートルの大型店。土地と建物は賃借しており、跡地は他社への転貸などを検討する。売上高は公表していない。
ヤマダは10年12月に遼寧省瀋陽市に瀋陽店(店舗面積2万4000平方メートル)を開業し、中国市場に参入した。11年6月には天津市に天津店(同1万5000平方メートル)を開業。13年度末までに5店に増やす計画だったが、南京店以降の出店を凍結していた。
海外事業は今後、昨年12月に傘下に収めたベスト電器が店舗網を持つ東南アジア市場の開拓に軸足を移す考え。
リソース:日本経済新聞
閉鎖する南京店は店舗面積が1万6000平方メートルの大型店。土地と建物は賃借しており、跡地は他社への転貸などを検討する。売上高は公表していない。
ヤマダは10年12月に遼寧省瀋陽市に瀋陽店(店舗面積2万4000平方メートル)を開業し、中国市場に参入した。11年6月には天津市に天津店(同1万5000平方メートル)を開業。13年度末までに5店に増やす計画だったが、南京店以降の出店を凍結していた。
海外事業は今後、昨年12月に傘下に収めたベスト電器が店舗網を持つ東南アジア市場の開拓に軸足を移す考え。
リソース:日本経済新聞
2013年4月23日火曜日
東亜バルブ、中国で原発技術供与 新興国でライセンス収入
東亜バルブエンジニアリングは、中国で原子力発電所用のバルブ事業に参入する。発電用タービンに使う蒸気放出用の弁の設計・生産ノウハウを供与し、ライセンス収入を得る。原発整備が進む新興国を中心に、新たな収益源に育てる。
18日に中国の発電用バルブメーカー、HEハルビン・パワー・プラント・バルブと契約する。タービン設備内部の圧力が上昇した際に、蒸気を放出する弁の生産方法などを提供する。この技術は国内の加…
リソース:日本経済新聞
18日に中国の発電用バルブメーカー、HEハルビン・パワー・プラント・バルブと契約する。タービン設備内部の圧力が上昇した際に、蒸気を放出する弁の生産方法などを提供する。この技術は国内の加…
リソース:日本経済新聞
2013年4月21日日曜日
中国人はなぜ会社を辞めるのか
20代の平均勤続年数はわずか1年半
「中国人のマネジャーを採用したが、仕事を覚えたと思ったら辞めてしまった」「せっかく教育しても、どうせ1~2年で辞めてしまうので意味がない。もう中国人は採用したくない」。上海で仕事をしていると、こうした日本人赴任者の嘆き節は枚挙に暇がない。
それは現象面としてはまったくその通りで、中国人の転職、転社、転業、独立志向の強さは、中国での企業経営にとって頭の痛い問題である。これは日系企業や日本人経営者・管理者に限った話ではなく、在中の外資系企業、さらには香港や台湾系、中国国内の企業経営者にとっても同様の問題だ。
上海市労働社会保障局が発表したデータによると、上海市内の就労者の平均勤続年数は全体の平均で約3年10ヵ月。30歳以下に限ればわずか1年5ヵ月ほどしかない。新卒社員の「3年目の離職」は日本でも話題になっているけれど、上海では31~40歳の中堅層でも平均約2年3ヵ月で辞める。これではどうやって組織を運営していくのか、誰でも頭を抱えてしまうだろう。
では、なぜ中国人はそんなに簡単に会社を辞めてしまうのか。
もちろんそこには個人差もあるし、社内事情や社会環境など、さまざまな要因が絡み合っている。しかし、多くの企業で中国人社員の行動パターンを見ていると、そこには一種の共通した観念というか、行動原理というか、中国人を突き動かしている原則のようなものがあると思うようになった。ここではその話をしてみたい。
中国人が会社を辞める3つの理由
中国人社員が会社を辞める理由には大きく分けて3つの要素がある。
「1」 嫌だから辞める(現状に対する不満)
「2」 ステップアップのために辞める(将来へのキャリア構築)
「3」 リスクヘッジのために辞める
「1」や「2」は日本人にも理解しやすいだろう。給料が安い、仕事がつまらない。誰だって会社や上司、仕事に対する不満はあるし、現状を変えたいと思うことはある。そのためには会社を辞めるしかないこともあるだろう。
また「MBAを取るため会社を辞めて米国に行く」とか「この会社で学ぶことはもうない。次のキャリアに挑戦したい」という理由で辞める人は日本にもいる。こうした動機はわからなくはない。
問題は「3」の「リスクヘッジのために辞める」である。日本人にはちょっとわかりにくい発想だが、こういう人が中国には現実にいる。特に周囲から優秀だと目されている人によく見うけられる。特に大きな問題がなくても「もう、この会社に3年もいるから、そろそろ辞めないと…」などと言ったりする。これはどういうことなのか。
もちろん現実に会社を辞める時は、上記の1~3の理由が程度の差はあれ混在しており、どれかひとつということはない。しかしこの「リスクヘッジのために辞める」という考え方はかなり広く共有されていて、その土台の上に現状への不満やキャリアアップの意識が加わり、最終的に離職という行動になって表れるという感じである。
リスクヘッジのために会社を辞めるということは「現在の仕事を続けるのはリスクだ」と認識していることになる。ひとつの仕事や会社に一定期間コミットしていると、中国人はだんだん不安になってくる。「人生のリスクがどんどん増大しているのではないか」「泥沼に入り込むのではないか」「このままではいけない」――。焦燥感にとらわれ始め、仕事が手に着かなくなり、ちょっとした不満や他からの誘いをきっかけに会社を辞めてしまう。
「ひとつの仕事を長く続けること」「同じ組織に長くいること」がリスクだという考え方は、日本社会では一般的ではない。むしろひとつの道を極めること、同じ組織で長く(一生とは言わないまでも)働くことで初めて高い価値を生む仕事ができるようになるとの考え方が主流である。その背景には日本人、特に日本の競争力の中核を担う製造業がそうした考え方を基本に過去の国際競争に勝ってきた歴史がある。
「安定」に対する認識の違い
日本人と中国人のこうした対照的な行動パターンの違いの根底には何があるのだろうか。
それは「安定」に対する認識の違いである。
日本人が考える「安定」とは「1対1」の対応だ。たとえば終身雇用がそうである。向き合った両者が互いに「1対1」の関係になった時、日本人は「安定した」と感じ、安心する。終身雇用とは有体に言えば「お前、辞めるなよ。クビにはしないからな」「はい、わかりました」という関係である。雇用する側は「他の人間を雇う」という選択肢を排除し、働く側も「他の会社で働く」という選択肢を排除する。そうしてお互いが「1対1」の関係になる。それでもって「安定」するのである。
株式の持ち合いも同じだ。「お前、売るなよ。オレも売らないから」「よし、わかった」。そこでは互いが「他者に売る」という選択肢を排除して「1対1」で握り合う。そして両者は「安定」を感じ、安心するのである。
中国人は違う。「お前、辞めるなよ。クビにはしないから」などと言われたところで、どうしてなど安心できようか。社長が代わってしまったら、どうなるかわかったものではない。約束とはいっても、仮に会社から「すまん、事情が変わった。辞めてくれないか」と言われたら、打撃が大きいのは明らかに個人のほうである。なにしろ他の選択肢を排除してしまっているから手も足も出ない。一家が路頭に迷う可能性すらある。これ以上恐ろしいリスクが他にあろうか?
株式の持ち合いも同じだ。「すまん、背に腹は換えられない。売らせてくれ」と言われたらどうするか。それなりの比率で株を持たれているから、いざ売られた時の打撃は大きい。株価は一気に下がるだろう。そんなリスクは誰が取るのか?
つまり中国人的人生観からすると、日本型の「1対1」の対応関係は、まるで「安定」ではない。それどころが「他の選択肢を排除してしまう」ことは、それこそリスクの塊であって、不安定そのもの、絶対に取ってはならない下策である。収入源がひとつしかなければ、相手の言いなりにならねばならない。常に他のオプションを残しておかなければ自分や家族の人生は守れない。そう考えるのが普通の中国人である。
そして、それを実際の行動で表す。中国社会で夫婦共稼ぎが普通なのは、社会主義だからでも女性が強いからでもない。それが一家にとっての大きなリスクヘッジになるからである。また中国のサラリーマンは、会社に言うかどうかは別として、副業(中国語では「第二職業」)を持っている例が少なくない。
本業の会社勤めとは別に、友人や親戚と何らかの会社を作っていたり、OLが土日はショップの販売員をやる、労働者なら夕方5時に帰宅してから自宅の近所で露店を出す、多少の資産があるならマンションや店舗を買って賃貸に回す、卸売市場から仕入れてきた商品をネットショップで売る…。そんな例はいくらでもある。これらはすべて収入源をひとつの会社に依存しないための方策である。「たとえクビになっても収入の半分は残る」と思えば、嫌な上司とケンカもしやすくなるではないか。
実際、私のある友人は英語と日本語に堪能で、非常に誠実かつ優秀な人間であるが、彼は「もし自分がこの会社に頼らなければ生きられない状態だったら、仮に会社や上司が誤った判断をしても、それを口に出せないかもしれない。でも僕はクビになっても怖くないから、会社のためになると信じたことは何でも率直に言う。これって結局は会社のためになることでしょ?」。こう真顔で言うのである。
タイタニック号か太平洋横断のヨットか
別のたとえでいえば、日本人の生き方はタイタニック号のような豪華客船の乗客であり、中国人的生き方は太平洋単独横断のヨットである。大型客船は乗り心地がよいし、設備も高級で、揺れも少ない。通常は何の心配もすることなく誰でも目的地に着くことができる。しかし、逆にそうであるだけに、万一沈没となれば大変だ。誰も泳ぎ方の訓練を受けていないし、ライフジャケットの付け方すら知らない。救命ボートの数も足りないから、たくさんの犠牲者が出る。
一方、太平洋単独横断のヨットは最初から波に翻弄されることを前提に出来ている。嵐は必ず来るものである。だから船が天地さかさまになっても絶対に沈まないよう設計されている。乗り心地は決してよくないが、仮に海に投げ出されたとしても救命胴衣は最初から付けているし、泳ぎ方の訓練も十分だから、助かる可能性は高くなる。
終身雇用や株式の持ち合いの発想は、中国人から見ればタイタニック号そのものである。だから最初からそういうリスクを避ける。終身雇用で「安定」を図るより「収入源をひとつにしないこと」に執着する。誰かと株を持ち合って「安定」するより、最初からマーケットに身を投げ出してしまう。そうすれば誰かが株を手放したところで株価が多少下がるだけで致命傷にはならない。誰かに株を売られてしまう可能性を心配するより、新たな買い手を増やすことを考えた方がリスクは少ないと考えるのが中国人である。
「他者に自分の命運を握られない」ために
つまり、総じて言えば「他者に自分の命運を握られない」よう最大の努力を傾けるのが中国人的生き方の真髄である。他者に自分の人生を左右される状態になってはいけない。人生のハンドルは常に自分が握る。そうでなければ安心できない。中国人はそう考え、そのためにはどうすればいいかを考える。
ある会社に長く在籍すればするほど、その企業でしか通用しないスキルが自分の中に蓄積し、市場との距離が遠くなる。そのぶん会社に自分の人生を左右される度合いが高くなる。同様に、ひとつの業界や職種で長く仕事をして、その領域に特化する度合いが高くなればなるほど(日本ではそれを「専門性が高くなる」という)、それは「1対1」の世界に近くなり、自分の選択肢の幅を狭める。その業界の景気が悪くなったらどうするのか、その技術が世の中で淘汰されたらどうするのか。
だから中国人はひとつの会社や職業に長く滞留することを本能的に避ける。周囲の環境に何か異変があっても自分や家族の人生に影響が及ばないよう最初から予防線を張っておく。何事も極限までは踏み込まず、事あればいつでも退避しできるようにしておく。そういう行動原理が広く浸透している。
組織や個人への競争力蓄積が進まない
そう考えれば「中国人社員を採用してもすぐに辞めてしまう」という日本人管理者の悩みは、至極当然の結果だとわかる。中国人社員の感覚では「いつでも辞められる状態にしておく」ことこそが「安定」なのだからである。これは「一意専心」「一所懸命」で専門性を高めることに精力を注ぎ込むという日本社会で支配的な考え方とは、まさに対極にある。
そしてこれまた当然ながら、こうした「中国人的世渡りの原則」は個人の生き方としてはそれなりに有効性を持つとしても、国家や会社といった単位で考えると、極めて効率が悪い。極論すれば、13億人全員が自分の生きたいように生きるわけだから、それはまさに部分最適の集合体にならざるを得ず、組織や集団にとっての全体最適とはおよそかけ離れたものとなる。
さらに重大なのは、誰もがこうした行動パターンを取ることで、組織内部や個人への知識や経験、スキルといった競争力の蓄積が進みにくいことである。プロとして市場価値のあるビジネススキルや専門技能は2年や3年の経験ではとても身につかない。社会に出てしばらくの間に何度かの針路変更があるのは止むを得ないにしても、ある時期以降は特定の領域に集中し、その分野で競争力を積み上げていくことが個人や企業の成長のためには欠かせない道筋である。
しかし現状の中国社会では、31~40歳の平均勤続年数2年3ヵ月という前述の数字が示すように、高度の専門能力を持つ人材を輩出する環境が存在していないと言わざるを得ない。これは社会的にはまことに由々しきことで、今後の中国企業の競争力を根底から左右する問題だと私は考えている。
中国進出日系企業にとってもこうした現状は当然ながら大きな障害である。だが中国が市場としても人材の供給源としても無視できない以上、ぼやいていても始まらない。どうにかしなければならない。現実には半ば諦めてしまっている企業が少なくないのは事実だが、中にはさまざまな手段を講じて、長期雇用の実現に一定の成果を出している企業もある。
例えば江蘇省に進出したある日系メーカーでは、新卒社員の離職率が2年間で8割にも達するという状況に悩んでいた。しかし離職者が集中するのは入社3年目までで、それ以降は比較的安定することもわかった。そこで同社は「入社3年目までは何がなんでも辞めさせない」という方針を立て、その間は1ヵ月ごとに小刻みな評価を行い、全員を例外なく定期的に昇給・昇格させるという手段を取った。その結果、新卒社員に対して常に「会社から評価されている」「自分の実力が伸びている」という実感を持たせることができ、離職率は劇的に低下。逆に3年目の残留率が8割に達するという成果を得ることができた。
これによって若手の人材層が厚くなったため、3年目以降は残った人材の中から会社が主導権を取って幹部候補を選抜することができるようになった。現在ではそうした選抜を経た社員が現在では中堅幹部として多数活躍し、将来の経営幹部の候補として期待できるまでになってきている。「新入社員は下積みが当然」と考えるのではなく、まず自社での成長実感を持たせ、馴染ませてしまう。こうした手法はひとつの可能性を示しているといえるだろう。
「自分の命運を他者に握られない」「人生のハンドルを自分で握る」という生き方は、個人としては確かに魅力的だ。しかし企業経営という観点から見ると、これはなかなかに手強い相手である。特に長期間の雇用によって組織内部への競争力の蓄積を続け、厳しい競争に勝ち抜いてきた日本の製造業にとっては、この課題をクリアしない限り中国で世界に通用する企業を作り上げることは難しい。困難な時間のかかる作業ではあるが、いま中国では多くの日系企業が「中国に合った日本的経営」の確立に向けて地道な取り組みを続けている。その努力に敬意を表するとともに、これまでの経験を活かして、できる限りのお手伝いをしたいと考えている。
リソース:WISDOM
「中国人のマネジャーを採用したが、仕事を覚えたと思ったら辞めてしまった」「せっかく教育しても、どうせ1~2年で辞めてしまうので意味がない。もう中国人は採用したくない」。上海で仕事をしていると、こうした日本人赴任者の嘆き節は枚挙に暇がない。
それは現象面としてはまったくその通りで、中国人の転職、転社、転業、独立志向の強さは、中国での企業経営にとって頭の痛い問題である。これは日系企業や日本人経営者・管理者に限った話ではなく、在中の外資系企業、さらには香港や台湾系、中国国内の企業経営者にとっても同様の問題だ。
上海市労働社会保障局が発表したデータによると、上海市内の就労者の平均勤続年数は全体の平均で約3年10ヵ月。30歳以下に限ればわずか1年5ヵ月ほどしかない。新卒社員の「3年目の離職」は日本でも話題になっているけれど、上海では31~40歳の中堅層でも平均約2年3ヵ月で辞める。これではどうやって組織を運営していくのか、誰でも頭を抱えてしまうだろう。
では、なぜ中国人はそんなに簡単に会社を辞めてしまうのか。
もちろんそこには個人差もあるし、社内事情や社会環境など、さまざまな要因が絡み合っている。しかし、多くの企業で中国人社員の行動パターンを見ていると、そこには一種の共通した観念というか、行動原理というか、中国人を突き動かしている原則のようなものがあると思うようになった。ここではその話をしてみたい。
中国人が会社を辞める3つの理由
中国人社員が会社を辞める理由には大きく分けて3つの要素がある。
「1」 嫌だから辞める(現状に対する不満)
「2」 ステップアップのために辞める(将来へのキャリア構築)
「3」 リスクヘッジのために辞める
「1」や「2」は日本人にも理解しやすいだろう。給料が安い、仕事がつまらない。誰だって会社や上司、仕事に対する不満はあるし、現状を変えたいと思うことはある。そのためには会社を辞めるしかないこともあるだろう。
また「MBAを取るため会社を辞めて米国に行く」とか「この会社で学ぶことはもうない。次のキャリアに挑戦したい」という理由で辞める人は日本にもいる。こうした動機はわからなくはない。
問題は「3」の「リスクヘッジのために辞める」である。日本人にはちょっとわかりにくい発想だが、こういう人が中国には現実にいる。特に周囲から優秀だと目されている人によく見うけられる。特に大きな問題がなくても「もう、この会社に3年もいるから、そろそろ辞めないと…」などと言ったりする。これはどういうことなのか。
もちろん現実に会社を辞める時は、上記の1~3の理由が程度の差はあれ混在しており、どれかひとつということはない。しかしこの「リスクヘッジのために辞める」という考え方はかなり広く共有されていて、その土台の上に現状への不満やキャリアアップの意識が加わり、最終的に離職という行動になって表れるという感じである。
リスクヘッジのために会社を辞めるということは「現在の仕事を続けるのはリスクだ」と認識していることになる。ひとつの仕事や会社に一定期間コミットしていると、中国人はだんだん不安になってくる。「人生のリスクがどんどん増大しているのではないか」「泥沼に入り込むのではないか」「このままではいけない」――。焦燥感にとらわれ始め、仕事が手に着かなくなり、ちょっとした不満や他からの誘いをきっかけに会社を辞めてしまう。
「ひとつの仕事を長く続けること」「同じ組織に長くいること」がリスクだという考え方は、日本社会では一般的ではない。むしろひとつの道を極めること、同じ組織で長く(一生とは言わないまでも)働くことで初めて高い価値を生む仕事ができるようになるとの考え方が主流である。その背景には日本人、特に日本の競争力の中核を担う製造業がそうした考え方を基本に過去の国際競争に勝ってきた歴史がある。
「安定」に対する認識の違い
日本人と中国人のこうした対照的な行動パターンの違いの根底には何があるのだろうか。
それは「安定」に対する認識の違いである。
日本人が考える「安定」とは「1対1」の対応だ。たとえば終身雇用がそうである。向き合った両者が互いに「1対1」の関係になった時、日本人は「安定した」と感じ、安心する。終身雇用とは有体に言えば「お前、辞めるなよ。クビにはしないからな」「はい、わかりました」という関係である。雇用する側は「他の人間を雇う」という選択肢を排除し、働く側も「他の会社で働く」という選択肢を排除する。そうしてお互いが「1対1」の関係になる。それでもって「安定」するのである。
株式の持ち合いも同じだ。「お前、売るなよ。オレも売らないから」「よし、わかった」。そこでは互いが「他者に売る」という選択肢を排除して「1対1」で握り合う。そして両者は「安定」を感じ、安心するのである。
中国人は違う。「お前、辞めるなよ。クビにはしないから」などと言われたところで、どうしてなど安心できようか。社長が代わってしまったら、どうなるかわかったものではない。約束とはいっても、仮に会社から「すまん、事情が変わった。辞めてくれないか」と言われたら、打撃が大きいのは明らかに個人のほうである。なにしろ他の選択肢を排除してしまっているから手も足も出ない。一家が路頭に迷う可能性すらある。これ以上恐ろしいリスクが他にあろうか?
株式の持ち合いも同じだ。「すまん、背に腹は換えられない。売らせてくれ」と言われたらどうするか。それなりの比率で株を持たれているから、いざ売られた時の打撃は大きい。株価は一気に下がるだろう。そんなリスクは誰が取るのか?
つまり中国人的人生観からすると、日本型の「1対1」の対応関係は、まるで「安定」ではない。それどころが「他の選択肢を排除してしまう」ことは、それこそリスクの塊であって、不安定そのもの、絶対に取ってはならない下策である。収入源がひとつしかなければ、相手の言いなりにならねばならない。常に他のオプションを残しておかなければ自分や家族の人生は守れない。そう考えるのが普通の中国人である。
そして、それを実際の行動で表す。中国社会で夫婦共稼ぎが普通なのは、社会主義だからでも女性が強いからでもない。それが一家にとっての大きなリスクヘッジになるからである。また中国のサラリーマンは、会社に言うかどうかは別として、副業(中国語では「第二職業」)を持っている例が少なくない。
本業の会社勤めとは別に、友人や親戚と何らかの会社を作っていたり、OLが土日はショップの販売員をやる、労働者なら夕方5時に帰宅してから自宅の近所で露店を出す、多少の資産があるならマンションや店舗を買って賃貸に回す、卸売市場から仕入れてきた商品をネットショップで売る…。そんな例はいくらでもある。これらはすべて収入源をひとつの会社に依存しないための方策である。「たとえクビになっても収入の半分は残る」と思えば、嫌な上司とケンカもしやすくなるではないか。
実際、私のある友人は英語と日本語に堪能で、非常に誠実かつ優秀な人間であるが、彼は「もし自分がこの会社に頼らなければ生きられない状態だったら、仮に会社や上司が誤った判断をしても、それを口に出せないかもしれない。でも僕はクビになっても怖くないから、会社のためになると信じたことは何でも率直に言う。これって結局は会社のためになることでしょ?」。こう真顔で言うのである。
タイタニック号か太平洋横断のヨットか
別のたとえでいえば、日本人の生き方はタイタニック号のような豪華客船の乗客であり、中国人的生き方は太平洋単独横断のヨットである。大型客船は乗り心地がよいし、設備も高級で、揺れも少ない。通常は何の心配もすることなく誰でも目的地に着くことができる。しかし、逆にそうであるだけに、万一沈没となれば大変だ。誰も泳ぎ方の訓練を受けていないし、ライフジャケットの付け方すら知らない。救命ボートの数も足りないから、たくさんの犠牲者が出る。
一方、太平洋単独横断のヨットは最初から波に翻弄されることを前提に出来ている。嵐は必ず来るものである。だから船が天地さかさまになっても絶対に沈まないよう設計されている。乗り心地は決してよくないが、仮に海に投げ出されたとしても救命胴衣は最初から付けているし、泳ぎ方の訓練も十分だから、助かる可能性は高くなる。
終身雇用や株式の持ち合いの発想は、中国人から見ればタイタニック号そのものである。だから最初からそういうリスクを避ける。終身雇用で「安定」を図るより「収入源をひとつにしないこと」に執着する。誰かと株を持ち合って「安定」するより、最初からマーケットに身を投げ出してしまう。そうすれば誰かが株を手放したところで株価が多少下がるだけで致命傷にはならない。誰かに株を売られてしまう可能性を心配するより、新たな買い手を増やすことを考えた方がリスクは少ないと考えるのが中国人である。
「他者に自分の命運を握られない」ために
つまり、総じて言えば「他者に自分の命運を握られない」よう最大の努力を傾けるのが中国人的生き方の真髄である。他者に自分の人生を左右される状態になってはいけない。人生のハンドルは常に自分が握る。そうでなければ安心できない。中国人はそう考え、そのためにはどうすればいいかを考える。
ある会社に長く在籍すればするほど、その企業でしか通用しないスキルが自分の中に蓄積し、市場との距離が遠くなる。そのぶん会社に自分の人生を左右される度合いが高くなる。同様に、ひとつの業界や職種で長く仕事をして、その領域に特化する度合いが高くなればなるほど(日本ではそれを「専門性が高くなる」という)、それは「1対1」の世界に近くなり、自分の選択肢の幅を狭める。その業界の景気が悪くなったらどうするのか、その技術が世の中で淘汰されたらどうするのか。
だから中国人はひとつの会社や職業に長く滞留することを本能的に避ける。周囲の環境に何か異変があっても自分や家族の人生に影響が及ばないよう最初から予防線を張っておく。何事も極限までは踏み込まず、事あればいつでも退避しできるようにしておく。そういう行動原理が広く浸透している。
組織や個人への競争力蓄積が進まない
そう考えれば「中国人社員を採用してもすぐに辞めてしまう」という日本人管理者の悩みは、至極当然の結果だとわかる。中国人社員の感覚では「いつでも辞められる状態にしておく」ことこそが「安定」なのだからである。これは「一意専心」「一所懸命」で専門性を高めることに精力を注ぎ込むという日本社会で支配的な考え方とは、まさに対極にある。
そしてこれまた当然ながら、こうした「中国人的世渡りの原則」は個人の生き方としてはそれなりに有効性を持つとしても、国家や会社といった単位で考えると、極めて効率が悪い。極論すれば、13億人全員が自分の生きたいように生きるわけだから、それはまさに部分最適の集合体にならざるを得ず、組織や集団にとっての全体最適とはおよそかけ離れたものとなる。
さらに重大なのは、誰もがこうした行動パターンを取ることで、組織内部や個人への知識や経験、スキルといった競争力の蓄積が進みにくいことである。プロとして市場価値のあるビジネススキルや専門技能は2年や3年の経験ではとても身につかない。社会に出てしばらくの間に何度かの針路変更があるのは止むを得ないにしても、ある時期以降は特定の領域に集中し、その分野で競争力を積み上げていくことが個人や企業の成長のためには欠かせない道筋である。
しかし現状の中国社会では、31~40歳の平均勤続年数2年3ヵ月という前述の数字が示すように、高度の専門能力を持つ人材を輩出する環境が存在していないと言わざるを得ない。これは社会的にはまことに由々しきことで、今後の中国企業の競争力を根底から左右する問題だと私は考えている。
中国進出日系企業にとってもこうした現状は当然ながら大きな障害である。だが中国が市場としても人材の供給源としても無視できない以上、ぼやいていても始まらない。どうにかしなければならない。現実には半ば諦めてしまっている企業が少なくないのは事実だが、中にはさまざまな手段を講じて、長期雇用の実現に一定の成果を出している企業もある。
例えば江蘇省に進出したある日系メーカーでは、新卒社員の離職率が2年間で8割にも達するという状況に悩んでいた。しかし離職者が集中するのは入社3年目までで、それ以降は比較的安定することもわかった。そこで同社は「入社3年目までは何がなんでも辞めさせない」という方針を立て、その間は1ヵ月ごとに小刻みな評価を行い、全員を例外なく定期的に昇給・昇格させるという手段を取った。その結果、新卒社員に対して常に「会社から評価されている」「自分の実力が伸びている」という実感を持たせることができ、離職率は劇的に低下。逆に3年目の残留率が8割に達するという成果を得ることができた。
これによって若手の人材層が厚くなったため、3年目以降は残った人材の中から会社が主導権を取って幹部候補を選抜することができるようになった。現在ではそうした選抜を経た社員が現在では中堅幹部として多数活躍し、将来の経営幹部の候補として期待できるまでになってきている。「新入社員は下積みが当然」と考えるのではなく、まず自社での成長実感を持たせ、馴染ませてしまう。こうした手法はひとつの可能性を示しているといえるだろう。
「自分の命運を他者に握られない」「人生のハンドルを自分で握る」という生き方は、個人としては確かに魅力的だ。しかし企業経営という観点から見ると、これはなかなかに手強い相手である。特に長期間の雇用によって組織内部への競争力の蓄積を続け、厳しい競争に勝ち抜いてきた日本の製造業にとっては、この課題をクリアしない限り中国で世界に通用する企業を作り上げることは難しい。困難な時間のかかる作業ではあるが、いま中国では多くの日系企業が「中国に合った日本的経営」の確立に向けて地道な取り組みを続けている。その努力に敬意を表するとともに、これまでの経験を活かして、できる限りのお手伝いをしたいと考えている。
リソース:WISDOM
2013年4月20日土曜日
中国人民銀副総裁発言で元の変動幅拡大観測高まる、国内投資家は懐疑的
[上海 19日 ロイター] 中国人民銀行の易綱副総裁の発言を受けて、人民元の変動幅が近く拡大されるとの観測が高まっているが、国内投資家は懐疑的な見方を示している。
人民銀の易綱副総裁は今週ワシントンで、人民元の変動幅が近い将来に拡大される可能性があると発言。UBSのアナリスト、マニク・ナライン氏とジェフリー・ユー氏(ロンドン)は72時間以内にも人民銀が元の許容変動幅を広げる可能性があると指摘していた。
だが中国の市場関係者は、前回変動幅が変更された2012年4月当時と比べて、報道機関の扱いも控えめにとどまっており、近く変更される公算は小さいと指摘している。
国営の新華社も、副総裁の発言については、目立たないところに一行だけさらりと触れる程度だった。
前回の変更時は、国営メディアが当時の温家宝首相など当局幹部の声明を報じたり、基準値の調整を行うなどして、事前に変動幅変更のシグナルを送っていたが、今回はこうした一連の手掛かりがないという。
上海の銀行のあるトレーダーは「これは20カ国・地域(G20)会合を控え、人民元切り上げを求める政治的圧力をかわすためのやり方」とし、「人民銀が基準値の設定を通じて相場を事実上管理している限り、変動幅を拡大しても意味がない」と指摘した。
リソース:ロイター
人民銀の易綱副総裁は今週ワシントンで、人民元の変動幅が近い将来に拡大される可能性があると発言。UBSのアナリスト、マニク・ナライン氏とジェフリー・ユー氏(ロンドン)は72時間以内にも人民銀が元の許容変動幅を広げる可能性があると指摘していた。
だが中国の市場関係者は、前回変動幅が変更された2012年4月当時と比べて、報道機関の扱いも控えめにとどまっており、近く変更される公算は小さいと指摘している。
国営の新華社も、副総裁の発言については、目立たないところに一行だけさらりと触れる程度だった。
前回の変更時は、国営メディアが当時の温家宝首相など当局幹部の声明を報じたり、基準値の調整を行うなどして、事前に変動幅変更のシグナルを送っていたが、今回はこうした一連の手掛かりがないという。
上海の銀行のあるトレーダーは「これは20カ国・地域(G20)会合を控え、人民元切り上げを求める政治的圧力をかわすためのやり方」とし、「人民銀が基準値の設定を通じて相場を事実上管理している限り、変動幅を拡大しても意味がない」と指摘した。
リソース:ロイター
カレーライスを中国の“人民食”に! – ハウス食品
大規模試食作戦で認知拡大 日本食以外にも用途広がる
日本の国民食、カレーライスが中国でも普及しつつある。その立役者となっているのがハウス食品の現地法人、上海好侍食品有限公司だ。とにかく多くの中国人消費者にカレーライスを食べてもらう地道な試食作戦で認知拡大に成功。業務用カレールーは売上高がこの3年で倍増している。しかも、その主要販売先は意外にも日本料理店ではなく、中国系のファーストフードチェーンだという。
「とにかく食べてもらう」作戦
中国人にとって、ご飯にかけて食べる日本式のカレーライスは舶来の新食品だ。食に対するこだわりが強い中国人の間にカレーライスを広めるに当たって、上海好侍食品が打ち出した作戦は「とにかく人が多い場所へ行って、カレーを食べてもらい、認知度を上げること」(同社董事総経理の羽子田礼秀氏)だった。
同社はまず、企業、工場の食堂に目を付けた。労働力不足が顕在化している製造業では近年、人材の定着率を上げるため、食事を含む福利厚生の充実にも気を遣っている。そこで、カレーライスを新メニューのひとつとして取り入れてもらおうと考えたのだ。工場の開拓では、日系メーカーの総経理へ直接手紙を出す作戦も奏功した。「特に外食の少ない工業地区に進出されている日系企業の総経理は、たまにはカレーライスを食べたいのでは」と考えた羽子田氏の思惑通り、手紙の返答率は高く、結果として数々の大手メーカーでカレーメニューが採用された。
同社がもうひとつ目を付けたのは、大学の食堂だ。新しいものを貪欲に吸収する大学生は、同社にとっても「金の卵」(羽子田氏)。上海市内の12大学に「無料試供隊」を派遣するなど、採算度外視でとにかくカレーを口にしてもらったという。このほか、店頭での販促やコミュニティでのイベント、幼稚園訪問などで、カレーライスという食べ物の認知拡大に努めてきた。「当社の営業マンは料理ができないと務まらない」と羽子田氏は笑う。
現在、上海市嘉定区にある同社工場では、家庭用と業務用合わせて月約700万食分のカレールーを生産している。工場は24時間稼働しており、今後の生産能力拡充も課題となっているという。
業務用の主要販売先は非日系
こうした地道な作戦により、同社製品の販路は確実に広がっている。家庭用カレールーは現在、全国約100都市1万店舗規模で販売されている。またハウス食品が壱番屋と合弁展開しているカレーチェーン「CoCo壱番屋」は現在24店舗を展開し、若い女性層を中心に人気を集めている。
一方、業務用カレールーの売上高もこの3年で倍増している。ただ、その主要販売先は意外にも日系飲食店ではなく、中国系のファーストフードチェーンだという。
同社の業務用販売で上位の顧客は、台湾地区系大手ファーストフードチェーンだ。ハンバーガーやフライドチキンなどの主力商品に加えて、チキンカツカレーも販売しており、全国の店舗用に業務用ルーを納入しているという。
このほか、同社では中国各地の都市、地域でしか展開していない中小のファーストフードチェーンを重点的に開拓してきた。こうしたチェーン店はメニューの差別化のため、また味の均一化のため、同社のルーを導入しているのだ。
日本料理店は単〜数店舗規模の展開が多く、店自身がこだわりのカレーを作ることが多いことから、業務用における販売比率が低くなっている。ただ、日系飲食チェーンの進出ラッシュに伴って、引き合いは増加傾向にある。
最近では米国系大手ファーストフードチェーンもカツカレーを打ち出した。同社製品が使用されているわけではないが、カレーをメニューに加えたことの宣伝効果は大きく、同社にとっても強力な追い風となっている。
業務用でもうひとつの重要な販売先は、弁当を取り扱う小売店。中国各地の日系スーパーのほか、中国系のスーパーへも販路が広がっており、日系コンビニの中食においても、同社製品を使ったカレーメニューが欠かせなくなっている。
レトルトに潜在性を見込む
同社では今後の伸びを見込んでいるのがレトルト製品だ。同社は現在、家庭用レトルトカレーも販売しており、今後は飲食チェーンやコンビニにおいても簡単便利な業務用レトルト製品が広まっていくとみている。
同社の最終目標は「カレーライスを中国の“人民食”にすること」(羽子田氏)。中国人消費者のカレー認知率は全国平均で30%、北京や上海で60%を上回ったとみられる。調査会社の2011年の市場データによると、カレールーの購入率は北京で22・4%、上海で21・7%に上っている。日本の91・4%には比べるべくもないが、台湾地区の23・4%に肉薄している。同社の長い道のりはまだ始まったばかりと言えそうだ。
日中でなぜ違う? ハウスカレーの味
八角などブレンドした家庭用 業務用は日本の味が売れ筋に
「日本のハウスカレーとは随分と味が違う」―中国で同社のカレーを食した経験がある日本人の率直な感想だろう。実際、同社では中国の家庭用商品にアレンジを加えている。
「百夢多咖喱(バーモントカレー)」には、中華料理に広く使われている八角などの香辛料をブレンドしており、色もカレー粉に近い黄色を強くしている。羽子田氏自身はオリジナルの味にもっと近づけるべきという意見だったが、「試食調査でも八角を入れた方がよりおいしいという意見が圧倒的多数を占めたため、この味に決めた」のだという。
一方、業務用は家庭用ほどアレンジを加えていない。「レストランでカレーを食べる人は本格的な味を求めている」(羽子田氏)ためだ。同社の業務用製品は中国でカレーが輸入品だった時代に培われた日本の味をコンセプトにしており、実際に日本の味に近い「爪哇風味咖喱(ジャワカレー)」が売れているのだという。
リソース:ビズブレッソ.ネット
日本の国民食、カレーライスが中国でも普及しつつある。その立役者となっているのがハウス食品の現地法人、上海好侍食品有限公司だ。とにかく多くの中国人消費者にカレーライスを食べてもらう地道な試食作戦で認知拡大に成功。業務用カレールーは売上高がこの3年で倍増している。しかも、その主要販売先は意外にも日本料理店ではなく、中国系のファーストフードチェーンだという。
「とにかく食べてもらう」作戦
中国人にとって、ご飯にかけて食べる日本式のカレーライスは舶来の新食品だ。食に対するこだわりが強い中国人の間にカレーライスを広めるに当たって、上海好侍食品が打ち出した作戦は「とにかく人が多い場所へ行って、カレーを食べてもらい、認知度を上げること」(同社董事総経理の羽子田礼秀氏)だった。
同社はまず、企業、工場の食堂に目を付けた。労働力不足が顕在化している製造業では近年、人材の定着率を上げるため、食事を含む福利厚生の充実にも気を遣っている。そこで、カレーライスを新メニューのひとつとして取り入れてもらおうと考えたのだ。工場の開拓では、日系メーカーの総経理へ直接手紙を出す作戦も奏功した。「特に外食の少ない工業地区に進出されている日系企業の総経理は、たまにはカレーライスを食べたいのでは」と考えた羽子田氏の思惑通り、手紙の返答率は高く、結果として数々の大手メーカーでカレーメニューが採用された。
同社がもうひとつ目を付けたのは、大学の食堂だ。新しいものを貪欲に吸収する大学生は、同社にとっても「金の卵」(羽子田氏)。上海市内の12大学に「無料試供隊」を派遣するなど、採算度外視でとにかくカレーを口にしてもらったという。このほか、店頭での販促やコミュニティでのイベント、幼稚園訪問などで、カレーライスという食べ物の認知拡大に努めてきた。「当社の営業マンは料理ができないと務まらない」と羽子田氏は笑う。
現在、上海市嘉定区にある同社工場では、家庭用と業務用合わせて月約700万食分のカレールーを生産している。工場は24時間稼働しており、今後の生産能力拡充も課題となっているという。
業務用の主要販売先は非日系
こうした地道な作戦により、同社製品の販路は確実に広がっている。家庭用カレールーは現在、全国約100都市1万店舗規模で販売されている。またハウス食品が壱番屋と合弁展開しているカレーチェーン「CoCo壱番屋」は現在24店舗を展開し、若い女性層を中心に人気を集めている。
一方、業務用カレールーの売上高もこの3年で倍増している。ただ、その主要販売先は意外にも日系飲食店ではなく、中国系のファーストフードチェーンだという。
同社の業務用販売で上位の顧客は、台湾地区系大手ファーストフードチェーンだ。ハンバーガーやフライドチキンなどの主力商品に加えて、チキンカツカレーも販売しており、全国の店舗用に業務用ルーを納入しているという。
このほか、同社では中国各地の都市、地域でしか展開していない中小のファーストフードチェーンを重点的に開拓してきた。こうしたチェーン店はメニューの差別化のため、また味の均一化のため、同社のルーを導入しているのだ。
日本料理店は単〜数店舗規模の展開が多く、店自身がこだわりのカレーを作ることが多いことから、業務用における販売比率が低くなっている。ただ、日系飲食チェーンの進出ラッシュに伴って、引き合いは増加傾向にある。
最近では米国系大手ファーストフードチェーンもカツカレーを打ち出した。同社製品が使用されているわけではないが、カレーをメニューに加えたことの宣伝効果は大きく、同社にとっても強力な追い風となっている。
業務用でもうひとつの重要な販売先は、弁当を取り扱う小売店。中国各地の日系スーパーのほか、中国系のスーパーへも販路が広がっており、日系コンビニの中食においても、同社製品を使ったカレーメニューが欠かせなくなっている。
レトルトに潜在性を見込む
同社では今後の伸びを見込んでいるのがレトルト製品だ。同社は現在、家庭用レトルトカレーも販売しており、今後は飲食チェーンやコンビニにおいても簡単便利な業務用レトルト製品が広まっていくとみている。
同社の最終目標は「カレーライスを中国の“人民食”にすること」(羽子田氏)。中国人消費者のカレー認知率は全国平均で30%、北京や上海で60%を上回ったとみられる。調査会社の2011年の市場データによると、カレールーの購入率は北京で22・4%、上海で21・7%に上っている。日本の91・4%には比べるべくもないが、台湾地区の23・4%に肉薄している。同社の長い道のりはまだ始まったばかりと言えそうだ。
日中でなぜ違う? ハウスカレーの味
八角などブレンドした家庭用 業務用は日本の味が売れ筋に
「日本のハウスカレーとは随分と味が違う」―中国で同社のカレーを食した経験がある日本人の率直な感想だろう。実際、同社では中国の家庭用商品にアレンジを加えている。
「百夢多咖喱(バーモントカレー)」には、中華料理に広く使われている八角などの香辛料をブレンドしており、色もカレー粉に近い黄色を強くしている。羽子田氏自身はオリジナルの味にもっと近づけるべきという意見だったが、「試食調査でも八角を入れた方がよりおいしいという意見が圧倒的多数を占めたため、この味に決めた」のだという。
一方、業務用は家庭用ほどアレンジを加えていない。「レストランでカレーを食べる人は本格的な味を求めている」(羽子田氏)ためだ。同社の業務用製品は中国でカレーが輸入品だった時代に培われた日本の味をコンセプトにしており、実際に日本の味に近い「爪哇風味咖喱(ジャワカレー)」が売れているのだという。
リソース:ビズブレッソ.ネット
焦点:中国進出の日本車メーカー、コスト削減で中国製部品調達迫られる
[上海 19日 ロイター] 日本の自動車メーカーは中国市場での価格競争激化に伴うコスト引き下げのため、中国の部品メーカーからの調達比率を引き上げるよう迫られている。
日本メーカーは系列部品メーカーと密接なつながりを持ち、共同で部品の設計や開発を進めることで、品質面で世界的に高い評価を確立してきた。しかし中国市場では価格が1万ドル以下のシンプルな車種が新世代ドライバーの人気を集めている。日本メーカーはこの分野で吉利汽車(0175.HK: 株価, 企業情報, レポート)など現地メーカーや外国メーカーと熾烈な競争を繰り広げており、コスト削減が不可欠だ。
日本の自動車メーカーは10年前に中国市場へ参入した際には、部品供給を系列メーカーに全面的に依存していた。コスト抑制のため系列部品メーカーにも現地生産化を進めるよう求め、今では日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)やホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)は車種によっては現地の部品調達率が90%を超える。しかし系列メーカーの中国生産部品は日本から輸入した資材に依存しており、たとえ中国で製造しても中国系部品メーカーの製品よりも値段が張る。
1万ドル以下の価格帯ではこれまで、中国の自動車メーカー同士がしのぎを削っていた。しかし高級車市場に参入する企業が増えた上、安い価格帯は販売台数が多いことから、低価格帯は外国メーカーにとってもはや無視できない市場になっている。
<追い上げ図る日本メーカー>
欧米の自動車メーカーは中国のメーカーの部品調達で先行しており、日本メーカーが追い上げを図っている。
東風日産の購買部門のシニア・バイス・プレジデント、山﨑庄平氏は「なんと言っても中国系部品メーカーの方が安い」と話す。
日本メーカーでは日産が最も積極的に現地企業からの調達に取り組んでおり、中国製「ヴェヌーシア」ではこうした手法によってコストを約40%圧縮した。
山﨑氏は「GMやフォルクスワーゲン(VOWG_p.DE: 株価, 企業情報, レポート)は現地部品メーカーを採用しており、こうしたメーカーから供給を受けなければ戦いに負けてしまう」と述べた。
<現地メーカーが強気に>
一方、尖閣諸島をめぐる日中間の対立の先鋭化を受けて、中国の部品メーカーの姿勢は強気になっている。
ホンダに部品を供給している日系企業の幹部は「日本メーカーは今回の危機対応で中国の提携相手に頼らざるを得ず、中国企業の発言権が高まった」と指摘。中国企業が国内メーカーの部品を導入するよう圧力を掛けているとした。
中国の製造業者が経験を積むにつれて中国製部品の品質は改善されたが、日本製の水準には依然として遠く及ばないというのが業界関係者の見立てだ。
山﨑氏によると、日産が2年前にヴェヌーシアの立ち上げているときには、サンバイザーが変形したり、部品のラベルが間違っているなど、信じられない問題が相当数発生した。日産は日本のエンジニアを現地の部品メーカーに派遣し、品質を高めた。今は中国系メーカーからの調達比率は金額ベースで15─20%となっており、これを35%以上に高めるのが目標という。
<系列企業は警告>
これまでのところ日本の自動車メーカーが中国部品メーカーから供給を受けているのは電装関連や内装など、車の安全性にとって重要度の低い分野に限られている。
ホンダ広報部メディアリレーションブロックの安藤明美主任は、ロイターへの電子メールで「100%現地化が当社の目標ではない」と話した。
トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の中国の広報担当者はコメントを避けた。
しかし日本の系列部品メーカーは、中国メーカーからの調達率が高まれば車の品質は低下すると警告する。
トヨタ、日産、ホンダなどへ納入している部品メーカーの幹部は「自動車メーカーは絶対に認めないだろうが、品質は低下する。確かに現地メーカーはサンプルを提供するなどしているが、絶対に問題がないわけではない。実際に自動車に取り付けて路上を走行させてみなければ、自動車部品の耐久性などはチェックが非常に難しい」と述べた。
リソース:ロイター
日本メーカーは系列部品メーカーと密接なつながりを持ち、共同で部品の設計や開発を進めることで、品質面で世界的に高い評価を確立してきた。しかし中国市場では価格が1万ドル以下のシンプルな車種が新世代ドライバーの人気を集めている。日本メーカーはこの分野で吉利汽車(0175.HK: 株価, 企業情報, レポート)など現地メーカーや外国メーカーと熾烈な競争を繰り広げており、コスト削減が不可欠だ。
日本の自動車メーカーは10年前に中国市場へ参入した際には、部品供給を系列メーカーに全面的に依存していた。コスト抑制のため系列部品メーカーにも現地生産化を進めるよう求め、今では日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)やホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)は車種によっては現地の部品調達率が90%を超える。しかし系列メーカーの中国生産部品は日本から輸入した資材に依存しており、たとえ中国で製造しても中国系部品メーカーの製品よりも値段が張る。
1万ドル以下の価格帯ではこれまで、中国の自動車メーカー同士がしのぎを削っていた。しかし高級車市場に参入する企業が増えた上、安い価格帯は販売台数が多いことから、低価格帯は外国メーカーにとってもはや無視できない市場になっている。
<追い上げ図る日本メーカー>
欧米の自動車メーカーは中国のメーカーの部品調達で先行しており、日本メーカーが追い上げを図っている。
東風日産の購買部門のシニア・バイス・プレジデント、山﨑庄平氏は「なんと言っても中国系部品メーカーの方が安い」と話す。
日本メーカーでは日産が最も積極的に現地企業からの調達に取り組んでおり、中国製「ヴェヌーシア」ではこうした手法によってコストを約40%圧縮した。
山﨑氏は「GMやフォルクスワーゲン(VOWG_p.DE: 株価, 企業情報, レポート)は現地部品メーカーを採用しており、こうしたメーカーから供給を受けなければ戦いに負けてしまう」と述べた。
<現地メーカーが強気に>
一方、尖閣諸島をめぐる日中間の対立の先鋭化を受けて、中国の部品メーカーの姿勢は強気になっている。
ホンダに部品を供給している日系企業の幹部は「日本メーカーは今回の危機対応で中国の提携相手に頼らざるを得ず、中国企業の発言権が高まった」と指摘。中国企業が国内メーカーの部品を導入するよう圧力を掛けているとした。
中国の製造業者が経験を積むにつれて中国製部品の品質は改善されたが、日本製の水準には依然として遠く及ばないというのが業界関係者の見立てだ。
山﨑氏によると、日産が2年前にヴェヌーシアの立ち上げているときには、サンバイザーが変形したり、部品のラベルが間違っているなど、信じられない問題が相当数発生した。日産は日本のエンジニアを現地の部品メーカーに派遣し、品質を高めた。今は中国系メーカーからの調達比率は金額ベースで15─20%となっており、これを35%以上に高めるのが目標という。
<系列企業は警告>
これまでのところ日本の自動車メーカーが中国部品メーカーから供給を受けているのは電装関連や内装など、車の安全性にとって重要度の低い分野に限られている。
ホンダ広報部メディアリレーションブロックの安藤明美主任は、ロイターへの電子メールで「100%現地化が当社の目標ではない」と話した。
トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の中国の広報担当者はコメントを避けた。
しかし日本の系列部品メーカーは、中国メーカーからの調達率が高まれば車の品質は低下すると警告する。
トヨタ、日産、ホンダなどへ納入している部品メーカーの幹部は「自動車メーカーは絶対に認めないだろうが、品質は低下する。確かに現地メーカーはサンプルを提供するなどしているが、絶対に問題がないわけではない。実際に自動車に取り付けて路上を走行させてみなければ、自動車部品の耐久性などはチェックが非常に難しい」と述べた。
リソース:ロイター
中国、地方の債務拡大 インフラ投資で隠れ借金
GDP比50~60%に
【北京=大越匡洋】中国財政の健全性に懸念が広がっている。格付け各社は地方政府の債務拡大を理由に、中国の格付けを見直した。中央政府と地方の債務残高は推計で国内総生産(GDP)比50~60%。公表ベースの約15%より高く、健全性の目安の上限に近い。インフラ投資による景気のテコ入れが財政悪化と金融不安につながりかねない。
「地方政府の債務リスクを有効に防ぐ」。李克強首相は17日、国務院(政府)の常務会…
リソース:日本経済新聞
【北京=大越匡洋】中国財政の健全性に懸念が広がっている。格付け各社は地方政府の債務拡大を理由に、中国の格付けを見直した。中央政府と地方の債務残高は推計で国内総生産(GDP)比50~60%。公表ベースの約15%より高く、健全性の目安の上限に近い。インフラ投資による景気のテコ入れが財政悪化と金融不安につながりかねない。
「地方政府の債務リスクを有効に防ぐ」。李克強首相は17日、国務院(政府)の常務会…
リソース:日本経済新聞
中国の地方政府 トップの評価、成長率と直結
▽…中国の地方政府は省級、市級、県級、郷鎮級に大きく分かれる。そのうち省級は33で、北京市や上海市など直轄市が4市、省が22省、チベット自治区など自治区が5区、香港など特別行政区が2区ある。2011年末時点で、省級の下の市級政府は332、県級は2853、郷鎮級は4万466存在する。
リソース:日本経済新聞
▽…地方政府のトップは市長や省長ではなく、各地区の共産党委員会書記が務める。共産党の中央指導部入りには地方政府で実績をあげる必要がある。例えば、習近平共産党総書記は浙江省などで党委書記を務めた。幹部の人事評価は域内総生産(GDP)成長率をどれだけ高めたかが重視され、地方政府間で成長テコ入れの競争が起きやすい。ただ地方政府は慢性的な財源不足に加え、財政規律の維持を目的に地方債の発行も原則禁止されている。このため傘下の地方融資平台(資金調達のためのプラットフォーム会社)を利用した資金調達が横行している。
▽…融資平台は地方政府の担保提供などを利用して銀行から融資を受けるほか、独自の債券も発行。12年の発行額は前年の2倍以上に上った。10%前後の高利回りで個人などから資金を集める「理財商品」の運用先には融資平台の債券も組み込まれ、短期で集めた資金を長期のインフラ投資に流し込む仕組みが複雑に絡み合う。資金の鎖が途切れれば、金融不安が地方政府の信用不安に飛び火しかねず、実体経済にも悪影響が及ぶリスクを指摘する声が出ている。
リソース:日本経済新聞
“日本化”する、90年代生まれの中国男子
日本の「ゆとり社員」とそっくりな新人類
前回は「個人事業主」化する80後を紹介させていただきましたが、今回は90後の生態を紹介したいと思います。私は80後ですが、90後の若者が徐々に社会人になってくるにつれて、彼らがこれまでの世代とはまったく異なるマインドを持っていると痛感しています。
90年代生まれは金遣いがとても荒い
私のバックグラウンドを簡単に説明すると、中国で生まれ、中学校と高校1年までを中国で過ごし、小学校と高校2年からを日本で過ごして、社会人になってからはマッキンゼーの東京オフィスで働きました。その後、游仁堂に転じ、中国と日本を行き来しています。日本と中国を半々ぐらいで見ている私には、90後は、良くも悪くも日本化していると思います。満ち足りた時代に生まれ育ったので、ハングリーさが足りず、タフではない。要するに、草食化している。
まず、90後は非常に金遣いが荒く、今までのいかなる世代とも消費行動が異なります。4年生大学を出た新卒の給料は一般的に3000元(4万5000円、1元=15円換算)程度ですが、5000元弱(7万5000円弱)もするiPhone5を90後はかなりの割合で持っています。80後も確かに70後に比べて消費する傾向にありますが、それは可処分所得の増加によるものです。しかしながら、90後は自分の稼いだ額以上のおカネを使い、貯金はあまりしません。
たとえば、先日、わが社の新入社員で22歳の90後が、上海随一のクラブの1室を借り切って、自分の誕生日会を開きました。特注のケーキをふるまったり、大きなウイスキーのボトルを注文したりするので、われわれ経営陣は彼が支払えないのではないかとヒヤヒヤしていました。しかし、彼はいつの間にか会計を済ませて、さっと帰っていきました。その日の代金は彼の1カ月分の給料を超えていたと思います。おそらく、彼が親からもらったお小遣いで支払ったのでしょう。
90後の若者は海外旅行にもしょっちゅう出掛け、毎回、親に数万円のプレゼントを買って帰ります。日本に旅行したときに人気のおみやげは、1万円程度の日本製電動歯ブラシです。そのおカネの出所は結局、親なのですが……。日本の新卒の社会人が海外旅行で、毎回、親に高価なおみやげを買う人はあまりいないのではないでしょうか。面白いことに90後の親が海外旅行をしても、このような高価なものを自分のために買ったりしません。やはり実際の所得よりも、金銭的な感覚のほうが消費行動に影響を与えていると思います。
日本のゆとり社員と似ている
また、90後はキャリアに対する感覚も80後とは全然違います。70後から80後の世代に見られた強烈なハングリー精神があまり感じられないのです。
私の友人が上海の大きな外資系企業に勤めており、この5年間、毎年インターンを採用しているのですが、80後のインターンは今も全員残っているのに、90後のインターンは半数以下しか残っていないと言います。しかも、辞める理由が情けない。「マルチタスキングに耐え切れず、体調を崩した」「人生について悩み、自信が持てなくなったので親元に帰りたい」などと言う。80後以前の世代なら、上海の大きな外資系企業にインターンで入ったら、頑張っておカネを稼ぎ、ゆくゆくは親を上海に連れてこようと考えたものです。
せっかく海外に留学しても、外国でチャレンジしたくないといって中国に戻ってくる90後も増えています。これも昔なら、たとえば日本に留学したら、おカネをガンガン稼いで両親を呼びたいと考えたものでした。
90後は給料や福利厚生以外に、仕事の内容が好みであるかどうか、会社の雰囲気や仕事の自由度を非常に重視します。
90後と一緒に働いている友人たちは、彼らの主体性のなさも口をそろえて指摘します。私のような80後は、自己主張が強く、どうしても「俺が」「俺が」になってしまいがちで、特に日系企業では、上司からすると扱いにくい存在だと思います。
それに対して、90後は自己主張が少なく、しかっても何の反論もしない。メモをとって素直に「はい」「はい」とうなずいているけれども、本当に聞いているかどうかはあやしい。実際、何回注意しても同じことを繰り返す。そして、自分からは何も質問してこない。今の仕事が楽しいのかつまらないのかもよくわからない……。この感じ、日本のゆとり社員の傾向とよく似ています。
80後であれば上司や先輩に対してリスペクトしますが、上下関係の感覚も90後はあまり持っていないようです。特に新しいメディアやソーシャルツールにおけるコミュニケーションは非常にカジュアルです。弊社では数多くの90後の大学生をインターンとして採用しているのですが、あるプロジェクトで一緒に仕事をした際、普段のやり取りは一般的なのですが、メールやWechat(中国版LINE)だと私を含めたメンバーに対して、まるで友達に話すかのようにフィードバックを行います。これも80後の世代ではなかなか考えられないことです。
大学生は自由な恋愛を謳歌
勉強のほうも、以前ほどはしていないようです。私の時代は、大学受験でいい点を取って、いい大学に入り、有望な会社に入るのが唯一の出世街道と言われていました。私は山東省にある全寮制の進学校に行っていたのですが、基本的に朝8時から夜の10時まで授業があって、そのほかの時間もずっと勉強していました。徹底的な詰め込み教育で、すべて暗記。「英語の辞書も全部暗記したら、きっと英語ができるようになるはずだ!」という滅茶苦茶な理論で、暗記させられました。確かに、英語ができるようにはなりましたが……。
そんな状況ですから、恋愛なんて絶対禁止です。高校の男子寮の隣に女子寮がありましたが、夜、寮に帰るときは先生が見張っていました。生徒が恋愛をしないようにです。「恋愛をすると、成績が下がるから、恋愛をするな」と言われていました。男子と女子が手をつないでもダメ。大学でも、教室でキスをしたカップルが退学処分になり、それが社会議論になったくらいです。
しかし、90後に話を聞くと、今はかなりオープンになっているようです。大学生は自由に恋愛をしているし、高校生も表向きは恋愛禁止ですが、大多数が異性と交際しているとか。これはかなり大きな変化です。
では、なぜ90後の生態は80後のそれと比較して、これほどまで異なるのでしょうか。
それを理解していただくには、まず80後が育ってきた社会環境を少し紹介させて下さい。私を含め、80後の人は、文化大革命(1966~1976年)の頃に青春期をおくった世代の親に育てられました。中国は、文化大革命(以下、文革)によって世代が大きく変化しています。文革の約10年間は大学受験がありませんでした。受験が再開したとき、大学生が1人もおらず、あらゆる組織が人材難だったので、半年で2回も大学受験を行いました。私の両親は初回の受験で合格しています。文革後初期に大学に合格した人たちが、中国の改革開放をリードしてきました。
親世代の40代前半は、最もおカネを持っている
私の子どもの頃はまだ貧しくて、親が卵などは買えなかったと記憶しています。自宅に電話を取り付けると、同じマンション内で電話があるのは私の家だけだったので、マンションの住人が皆、借りに来て、うちの電話が公衆電話化しました。
私が6歳のときに日本に来てビックリしたのが、粗大ゴミ置き場にテレビが大量に捨てられていたことです。中国ではテレビが普及し始めたばかりでしたから、「なんでここにテレビが置いてあるのだろう。もらっていいのかな?」と思ったものです。
しかし、私が高校生ぐらいになると、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、自動車がどんどん普及し始めました。万元戸(資産が100万元以上ある世帯)という言葉も、万元戸が普通になりすぎて死語となり、友達の家族を見渡しても家族に誰か1人は海外で暮らしていたりします。80後は貧しい時代と豊かな時代を両方、経験しています。そのせいか、豊かな時代になってもおカネを浪費してはいけないという価値観が刷り込まれています。
なので、80後以前の世代は、おカネや仕事に対してガツガツしています。おカネをたくさん稼いで家を買いたい、いい仕事について、いい暮らしがしたいという欲求がとても強い。
それが、90後になると、経済成長期とバブルしか経験していないので、おカネに対して執着しません。90後が育った時代は、1987年に始まった改革開放政策が沿岸地区に広く展開され、資本主義の仕組みが次々と中国社会に定着しました。90後が物心ついた2000年代以降は、パソコン、薄型テレビ、携帯電話などが爆発的に普及しました。また、90後の親たちは現在40代前半の人が中心で、中国で今、いちばんおカネを持っている世代です。さらに子どもは一人っ子。一人っ子政策以後に生まれた子どもを「小皇帝」と呼んだりしますが、まさに富裕層がただ一人の小さな皇帝に資産をどんどんつぎ込んでいます。
最近、夕方になると、上海のオフィスビルの前にはアウディ、ベンツ、フォルクスワーゲンなどの高級外車がずらりと並んでいます。私はデートのためにお金持ちの男性が女性を迎えに来ているのかと思いましたが、よく見てみると、90後の親たちが子どもを迎えに来ているのでした。別に帰り道が危険なわけでも何でもありません。かわいい子どもを早く保護したい一心なのです。
中国はもともと儒教の影響で、親は子どもの面倒をきちんと見て、子どもも親を大切にするという文化がありますが、それにしても、社会人になった子どものお迎えは少々度が過ぎているように私は思います。
EQに作用する粉ミルクが人気
もうひとつの背景には、親たちが教育方針を変えてきている影響も大きいと思います。私の子どもの頃はとにかく貧しかったので、「一生懸命勉強して、いい大学に入って、いい仕事をして、いい暮らしをしなさい」と教えられましたが、今はすでにおカネがあります。だから、「おカネではなく、豊かな人生を送ってほしい」と親が願うようになっている。これも、詰め込み教育からゆとり教育に変わっていった日本と同じ流れが起きています。
私の友人が幼児教育の教室を運営していますが、最近のお母さんたちには、知育系よりもクリエーティブ系や性格形成系のレッスンの人気が高いそうです。「IQを上げる」よりも「お絵かきをして創造力を上げる」「忍耐強くなる」「集中力を高める」といった教育が流行っている。
その変化は粉ミルクにも現れています。中国の企業の多くは、最大で4カ月の産休しか取得できないので、働くお母さんの子どもは粉ミルクを飲むのが必須です。粉ミルクを販売している会社は、どんな“成分”が入っているかを宣伝するわけですが、最近の高級粉ミルクは「うちはIQだけでなく、EQ(Emotional Intelligence Quantity、心の知能指数)にも作用する要素が入っている」とうたっています。
高等教育の面でも私の時代に比べて、選択肢の幅がずいぶんと広がっています。今も受験戦争はありますが、推薦入試やOA入試も増えてきているし、専門学校に行ってアート系の分野を学ぶのもすばらしいじゃないかという価値観が生まれている。外国に留学したっていい。ガリ勉で上に行ける人はガリ勉を続ければいいけれども、それができない人にも道がちゃんとある。そういうふうに変わってきています。
聞くところによると、上海の4大重点高校(上海中学、復旦付属、華師第二付属、交大付属)に通う高校生のうち、一般的な大学受験を受けるのはたった27%で、そのほかの生徒は海外の大学へ進学、もしくは推薦などで国内重点大学へ進学しているそうです。
このような変化の中で育ってきた90後は、自分の趣味や生活に対する関心が強く、感受性が豊かです。一方で、おカネや出世に執着しない分、仕事に対して主体性がなく、ガッツが足りないという特徴が見られます。景気の減速も影響しているのか、仕事に対する安定志向が強まっています。
80後の人たちは現在、24~33歳で、これまでに平均6回ほど転職していますが、今後はいい転職先が少なっていくので、転職の回数が減っていくかもしれません。同じ会社にいたとしても、昇給が以前は1回につき、2割ぐらいアップしましたが、上げ幅がだんだん小さくなっています。要するに、うまい話が少なくなっている。ベンチャー志向も弱まっていて、リスクをあまり取りません。
近年、毎年春節(旧暦の正月)の時期が過ぎると、地元に帰省した出稼ぎ労働者が帰ってこないと労働集約型の工場が嘆いている映像をメディアが報道しています。昔は農村から都市に来て工場で働けば、収入が5倍になったので、仕事がどんなにつまらなくても、とりあえず3年ぐらいは働いておカネをため、田舎に戻って家を建てようとしました。あるテレビ番組で、「給料を上げたのに、なぜ戻ってこないのか?」と取材していました。90後の草食化は、農村にまで波及しているのです。
中国のモデルチェンジを促す力に?
このような90後世代は、今後の中国にどのような影響を与えていくのでしょうか。
中国はこれまでずっと労働集約型の工場を作り、製品に付加価値をつけて輸出するモデルが中心でした。しかし、農村の90後も労働集約型の工場で働くことを嫌うようになってきて、今後、ますます働き手が少なくなっていった場合、李首相が目指す7%の経済成長をどうやって維持するのか。賃金コストが高まり、世界の工場としての地位が揺らぎつつある中、李首相は「労働集約型の成長モデルからのシフト」も目標に掲げました。
確かに「90後」の草食系の若者は、甘やかされて上昇志向がありません。しかし価値観が多様化し、社会を違う面からとらえようとしている分、実はモデルチェンジを促進する役割を果たすかもしれません。特にデザイン、アート、独自のセンスというようなことを価値にした事業を作るうえで、ポテンシャルを秘めた人材である可能性があります。
次回は経済成長モデルの転換に、同じく人材面から大きく影響を与える中国の帰国子女組の生態についてご紹介していきたいと思います。
リソース:東洋経済
1990年代以降に生まれた中国人は、それ以前の中国人とはかなり違う傾向が見られる(写真:ロイター/アフロ)
中国で、1980年代生まれの人を「80後(バーリンホウ)」、1990年代生まれの人を「90後(ジョウリンホウ)」と呼びます。中国政府の統計によると、昨年は680万人の学生が大学から卒業しました。留年や浪人していないと考えると、彼らは90後として初めて社会に出ることになります。たかが10年と思うかもしれませんが、経済状況が目まぐるしく変化する中国では、世代間の違いは非常に顕著です。
前回は「個人事業主」化する80後を紹介させていただきましたが、今回は90後の生態を紹介したいと思います。私は80後ですが、90後の若者が徐々に社会人になってくるにつれて、彼らがこれまでの世代とはまったく異なるマインドを持っていると痛感しています。
90年代生まれは金遣いがとても荒い
私のバックグラウンドを簡単に説明すると、中国で生まれ、中学校と高校1年までを中国で過ごし、小学校と高校2年からを日本で過ごして、社会人になってからはマッキンゼーの東京オフィスで働きました。その後、游仁堂に転じ、中国と日本を行き来しています。日本と中国を半々ぐらいで見ている私には、90後は、良くも悪くも日本化していると思います。満ち足りた時代に生まれ育ったので、ハングリーさが足りず、タフではない。要するに、草食化している。
まず、90後は非常に金遣いが荒く、今までのいかなる世代とも消費行動が異なります。4年生大学を出た新卒の給料は一般的に3000元(4万5000円、1元=15円換算)程度ですが、5000元弱(7万5000円弱)もするiPhone5を90後はかなりの割合で持っています。80後も確かに70後に比べて消費する傾向にありますが、それは可処分所得の増加によるものです。しかしながら、90後は自分の稼いだ額以上のおカネを使い、貯金はあまりしません。
たとえば、先日、わが社の新入社員で22歳の90後が、上海随一のクラブの1室を借り切って、自分の誕生日会を開きました。特注のケーキをふるまったり、大きなウイスキーのボトルを注文したりするので、われわれ経営陣は彼が支払えないのではないかとヒヤヒヤしていました。しかし、彼はいつの間にか会計を済ませて、さっと帰っていきました。その日の代金は彼の1カ月分の給料を超えていたと思います。おそらく、彼が親からもらったお小遣いで支払ったのでしょう。
90後の若者は海外旅行にもしょっちゅう出掛け、毎回、親に数万円のプレゼントを買って帰ります。日本に旅行したときに人気のおみやげは、1万円程度の日本製電動歯ブラシです。そのおカネの出所は結局、親なのですが……。日本の新卒の社会人が海外旅行で、毎回、親に高価なおみやげを買う人はあまりいないのではないでしょうか。面白いことに90後の親が海外旅行をしても、このような高価なものを自分のために買ったりしません。やはり実際の所得よりも、金銭的な感覚のほうが消費行動に影響を与えていると思います。
日本のゆとり社員と似ている
また、90後はキャリアに対する感覚も80後とは全然違います。70後から80後の世代に見られた強烈なハングリー精神があまり感じられないのです。
私の友人が上海の大きな外資系企業に勤めており、この5年間、毎年インターンを採用しているのですが、80後のインターンは今も全員残っているのに、90後のインターンは半数以下しか残っていないと言います。しかも、辞める理由が情けない。「マルチタスキングに耐え切れず、体調を崩した」「人生について悩み、自信が持てなくなったので親元に帰りたい」などと言う。80後以前の世代なら、上海の大きな外資系企業にインターンで入ったら、頑張っておカネを稼ぎ、ゆくゆくは親を上海に連れてこようと考えたものです。
せっかく海外に留学しても、外国でチャレンジしたくないといって中国に戻ってくる90後も増えています。これも昔なら、たとえば日本に留学したら、おカネをガンガン稼いで両親を呼びたいと考えたものでした。
90後は給料や福利厚生以外に、仕事の内容が好みであるかどうか、会社の雰囲気や仕事の自由度を非常に重視します。
90後と一緒に働いている友人たちは、彼らの主体性のなさも口をそろえて指摘します。私のような80後は、自己主張が強く、どうしても「俺が」「俺が」になってしまいがちで、特に日系企業では、上司からすると扱いにくい存在だと思います。
それに対して、90後は自己主張が少なく、しかっても何の反論もしない。メモをとって素直に「はい」「はい」とうなずいているけれども、本当に聞いているかどうかはあやしい。実際、何回注意しても同じことを繰り返す。そして、自分からは何も質問してこない。今の仕事が楽しいのかつまらないのかもよくわからない……。この感じ、日本のゆとり社員の傾向とよく似ています。
80後であれば上司や先輩に対してリスペクトしますが、上下関係の感覚も90後はあまり持っていないようです。特に新しいメディアやソーシャルツールにおけるコミュニケーションは非常にカジュアルです。弊社では数多くの90後の大学生をインターンとして採用しているのですが、あるプロジェクトで一緒に仕事をした際、普段のやり取りは一般的なのですが、メールやWechat(中国版LINE)だと私を含めたメンバーに対して、まるで友達に話すかのようにフィードバックを行います。これも80後の世代ではなかなか考えられないことです。
大学生は自由な恋愛を謳歌
勉強のほうも、以前ほどはしていないようです。私の時代は、大学受験でいい点を取って、いい大学に入り、有望な会社に入るのが唯一の出世街道と言われていました。私は山東省にある全寮制の進学校に行っていたのですが、基本的に朝8時から夜の10時まで授業があって、そのほかの時間もずっと勉強していました。徹底的な詰め込み教育で、すべて暗記。「英語の辞書も全部暗記したら、きっと英語ができるようになるはずだ!」という滅茶苦茶な理論で、暗記させられました。確かに、英語ができるようにはなりましたが……。
そんな状況ですから、恋愛なんて絶対禁止です。高校の男子寮の隣に女子寮がありましたが、夜、寮に帰るときは先生が見張っていました。生徒が恋愛をしないようにです。「恋愛をすると、成績が下がるから、恋愛をするな」と言われていました。男子と女子が手をつないでもダメ。大学でも、教室でキスをしたカップルが退学処分になり、それが社会議論になったくらいです。
しかし、90後に話を聞くと、今はかなりオープンになっているようです。大学生は自由に恋愛をしているし、高校生も表向きは恋愛禁止ですが、大多数が異性と交際しているとか。これはかなり大きな変化です。
では、なぜ90後の生態は80後のそれと比較して、これほどまで異なるのでしょうか。
それを理解していただくには、まず80後が育ってきた社会環境を少し紹介させて下さい。私を含め、80後の人は、文化大革命(1966~1976年)の頃に青春期をおくった世代の親に育てられました。中国は、文化大革命(以下、文革)によって世代が大きく変化しています。文革の約10年間は大学受験がありませんでした。受験が再開したとき、大学生が1人もおらず、あらゆる組織が人材難だったので、半年で2回も大学受験を行いました。私の両親は初回の受験で合格しています。文革後初期に大学に合格した人たちが、中国の改革開放をリードしてきました。
親世代の40代前半は、最もおカネを持っている
私の子どもの頃はまだ貧しくて、親が卵などは買えなかったと記憶しています。自宅に電話を取り付けると、同じマンション内で電話があるのは私の家だけだったので、マンションの住人が皆、借りに来て、うちの電話が公衆電話化しました。
私が6歳のときに日本に来てビックリしたのが、粗大ゴミ置き場にテレビが大量に捨てられていたことです。中国ではテレビが普及し始めたばかりでしたから、「なんでここにテレビが置いてあるのだろう。もらっていいのかな?」と思ったものです。
しかし、私が高校生ぐらいになると、冷蔵庫や洗濯機、テレビ、自動車がどんどん普及し始めました。万元戸(資産が100万元以上ある世帯)という言葉も、万元戸が普通になりすぎて死語となり、友達の家族を見渡しても家族に誰か1人は海外で暮らしていたりします。80後は貧しい時代と豊かな時代を両方、経験しています。そのせいか、豊かな時代になってもおカネを浪費してはいけないという価値観が刷り込まれています。
なので、80後以前の世代は、おカネや仕事に対してガツガツしています。おカネをたくさん稼いで家を買いたい、いい仕事について、いい暮らしがしたいという欲求がとても強い。
それが、90後になると、経済成長期とバブルしか経験していないので、おカネに対して執着しません。90後が育った時代は、1987年に始まった改革開放政策が沿岸地区に広く展開され、資本主義の仕組みが次々と中国社会に定着しました。90後が物心ついた2000年代以降は、パソコン、薄型テレビ、携帯電話などが爆発的に普及しました。また、90後の親たちは現在40代前半の人が中心で、中国で今、いちばんおカネを持っている世代です。さらに子どもは一人っ子。一人っ子政策以後に生まれた子どもを「小皇帝」と呼んだりしますが、まさに富裕層がただ一人の小さな皇帝に資産をどんどんつぎ込んでいます。
最近、夕方になると、上海のオフィスビルの前にはアウディ、ベンツ、フォルクスワーゲンなどの高級外車がずらりと並んでいます。私はデートのためにお金持ちの男性が女性を迎えに来ているのかと思いましたが、よく見てみると、90後の親たちが子どもを迎えに来ているのでした。別に帰り道が危険なわけでも何でもありません。かわいい子どもを早く保護したい一心なのです。
中国はもともと儒教の影響で、親は子どもの面倒をきちんと見て、子どもも親を大切にするという文化がありますが、それにしても、社会人になった子どものお迎えは少々度が過ぎているように私は思います。
EQに作用する粉ミルクが人気
もうひとつの背景には、親たちが教育方針を変えてきている影響も大きいと思います。私の子どもの頃はとにかく貧しかったので、「一生懸命勉強して、いい大学に入って、いい仕事をして、いい暮らしをしなさい」と教えられましたが、今はすでにおカネがあります。だから、「おカネではなく、豊かな人生を送ってほしい」と親が願うようになっている。これも、詰め込み教育からゆとり教育に変わっていった日本と同じ流れが起きています。
私の友人が幼児教育の教室を運営していますが、最近のお母さんたちには、知育系よりもクリエーティブ系や性格形成系のレッスンの人気が高いそうです。「IQを上げる」よりも「お絵かきをして創造力を上げる」「忍耐強くなる」「集中力を高める」といった教育が流行っている。
その変化は粉ミルクにも現れています。中国の企業の多くは、最大で4カ月の産休しか取得できないので、働くお母さんの子どもは粉ミルクを飲むのが必須です。粉ミルクを販売している会社は、どんな“成分”が入っているかを宣伝するわけですが、最近の高級粉ミルクは「うちはIQだけでなく、EQ(Emotional Intelligence Quantity、心の知能指数)にも作用する要素が入っている」とうたっています。
高等教育の面でも私の時代に比べて、選択肢の幅がずいぶんと広がっています。今も受験戦争はありますが、推薦入試やOA入試も増えてきているし、専門学校に行ってアート系の分野を学ぶのもすばらしいじゃないかという価値観が生まれている。外国に留学したっていい。ガリ勉で上に行ける人はガリ勉を続ければいいけれども、それができない人にも道がちゃんとある。そういうふうに変わってきています。
聞くところによると、上海の4大重点高校(上海中学、復旦付属、華師第二付属、交大付属)に通う高校生のうち、一般的な大学受験を受けるのはたった27%で、そのほかの生徒は海外の大学へ進学、もしくは推薦などで国内重点大学へ進学しているそうです。
このような変化の中で育ってきた90後は、自分の趣味や生活に対する関心が強く、感受性が豊かです。一方で、おカネや出世に執着しない分、仕事に対して主体性がなく、ガッツが足りないという特徴が見られます。景気の減速も影響しているのか、仕事に対する安定志向が強まっています。
80後の人たちは現在、24~33歳で、これまでに平均6回ほど転職していますが、今後はいい転職先が少なっていくので、転職の回数が減っていくかもしれません。同じ会社にいたとしても、昇給が以前は1回につき、2割ぐらいアップしましたが、上げ幅がだんだん小さくなっています。要するに、うまい話が少なくなっている。ベンチャー志向も弱まっていて、リスクをあまり取りません。
近年、毎年春節(旧暦の正月)の時期が過ぎると、地元に帰省した出稼ぎ労働者が帰ってこないと労働集約型の工場が嘆いている映像をメディアが報道しています。昔は農村から都市に来て工場で働けば、収入が5倍になったので、仕事がどんなにつまらなくても、とりあえず3年ぐらいは働いておカネをため、田舎に戻って家を建てようとしました。あるテレビ番組で、「給料を上げたのに、なぜ戻ってこないのか?」と取材していました。90後の草食化は、農村にまで波及しているのです。
中国のモデルチェンジを促す力に?
このような90後世代は、今後の中国にどのような影響を与えていくのでしょうか。
中国はこれまでずっと労働集約型の工場を作り、製品に付加価値をつけて輸出するモデルが中心でした。しかし、農村の90後も労働集約型の工場で働くことを嫌うようになってきて、今後、ますます働き手が少なくなっていった場合、李首相が目指す7%の経済成長をどうやって維持するのか。賃金コストが高まり、世界の工場としての地位が揺らぎつつある中、李首相は「労働集約型の成長モデルからのシフト」も目標に掲げました。
確かに「90後」の草食系の若者は、甘やかされて上昇志向がありません。しかし価値観が多様化し、社会を違う面からとらえようとしている分、実はモデルチェンジを促進する役割を果たすかもしれません。特にデザイン、アート、独自のセンスというようなことを価値にした事業を作るうえで、ポテンシャルを秘めた人材である可能性があります。
次回は経済成長モデルの転換に、同じく人材面から大きく影響を与える中国の帰国子女組の生態についてご紹介していきたいと思います。
リソース:東洋経済
アベノミクス、観光に刺激 外国人客・GW旅行者増
【大隈悠、加藤勇介】急激に進む円安を受け、経済成長著しい東南アジアを中心に外国人の観光客が増えている。大型連休中に国内外に繰り出す日本人の旅行も、「景気は上向く」という見通しから底堅い。円安と株高をもたらした安倍政権の「アベノミクス」効果があらわれているようだ。
■円安影響、韓国や台湾から来日
衣料品や雑貨の店が立ち並ぶ名古屋市の大須商店街。会社員男性のトリン・ルーラックさん(36)は、タイのバンコクから初めて来日した。旅行を申し込んだ半年前と比べ一気に進んだ円安に「買い物や日本食をいっそう楽しめそう」と喜ぶ。「古い文化やディズニーランドを体験したい」と、8日間で岐阜県の白川郷や京都、東京を回る。
リソース:ロイター
■円安影響、韓国や台湾から来日
衣料品や雑貨の店が立ち並ぶ名古屋市の大須商店街。会社員男性のトリン・ルーラックさん(36)は、タイのバンコクから初めて来日した。旅行を申し込んだ半年前と比べ一気に進んだ円安に「買い物や日本食をいっそう楽しめそう」と喜ぶ。「古い文化やディズニーランドを体験したい」と、8日間で岐阜県の白川郷や京都、東京を回る。
リソース:ロイター
独VW、2018年までに中国の人員33%増員へ
中国太陽電池大手、"おいしい"日本市場狙う
JAソーラーの上海におけるモジュール工場内
結晶シリコン型太陽電池セルの生産量で世界2位、モジュールの生産量で世界8位(2012年、米ソーラーバズ調べ)の中国・JAソーラー。同社のジン保芳・会長兼最高経営責任者(CEO)ら幹部は、このほど上海本社で東洋経済記者らと会見した。
会見の中でJAソーラーは、業界最大手だったサンテックパワーの破綻を受け、中国の太陽電池メーカーを取り巻く環境は短期的に厳しさを増しているものの、自社の財務体質は中国業界他社に比べて健全であり、国内外の多数の取引銀行と緊密な関係を維持できていると強調した。
また、昨年から再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を開始した日本市場は、今年の出荷量が中国に次ぎ世界2位へ急増する可能性があるとの見通しを示した。そのうえで、自社の日本での出荷量を昨年の約80メガワット(8万キロワット)から今年は倍以上に増やし、中期的に日本でのシェア8~10%を目指して販売戦略を強化する方針を明らかにした。
2年連続赤字、米国の反ダンピング関税も響く
米国ナスダック市場に株式を上場しているJAソーラーは、2011年12月期、12年12月期と2期連続で赤字を計上。ほかの中国系大手と同様に、経営は厳しい状況にある。12年12月期は、太陽電池(セルとモジュール合計)の出荷量が約1.7ギガワット(170万キロワット)と前期比ほぼ横ばいながら、売上高は67.2億元(10.8億ドル)と同37%減となり、粗利益段階からの赤字に転落。最終赤字は17.2億元(2.8億ドル)と約3倍に膨らんだ。
業界の過剰生産能力と最大市場・欧州での需要減退により製品価格の急落が続いたことに加え、米国商務省による中国製太陽電池に対する反ダンピング関税の導入、さらには全体の十数%に相当する600メガワット分の生産設備を廃棄した費用などが響いた。
2008年には120ドル台、10年には40ドル台だった株価は現在、4ドル台(時価総額約1.5億ドル)まで下落している。
サンテック破綻は「固有の問題」、CB償還資金は用意済み
中国では世界最大手サンテックが今年3月に5.4億ドルの転換社債償還に失敗し、破産手続きに入った。中国メーカー全般に対する顧客や金融機関の目は一段と厳しさを増しており、少なくとも短期的な影響は避けられない。
JAソーラーのジン会長兼CEO(写真)は、サンテックの破綻について、「(過剰)投資と経営方針におけるサンテック固有の問題であり、業界全体の問題ではない。むしろ、業界の再編淘汰を通じ、よい方向に向かうだろう」と述べた。そして、「すでに業界の中小企業の6~7割が淘汰され、かつてほど過剰とはいえなくなった。サンテックが破綻してシェアを10%落としたことで、市場全体も変わる可能性がある。われわれはその変化に適応していきたい」と語った。
曹敏・最高財務責任者(CFO)は、JAソーラーは株主資本比率(37%)や負債比率、流動性比率で見た財務体質が中国他社に比べ健全だと強調。現在保有する現金は約5億ドルで、中国開発銀行をはじめ取引銀行からの未使用融資枠も2億ドル以上残っており、5月に期限が到来する約1.2億ドルの転換社債償還のための資金はすでに用意済みだと述べた。また、当面は設備投資を抑制していくとともに、商品構成についても2011年まではセル中心だったが、よりエンドユーザーに近く、付加価値の高いモジュールを主体に据えていくという。
過剰生産能力は解消せず、欧米との通商摩擦も激化
ただ、根本的な過剰生産能力の問題は解決できておらず、中国メーカーを取り巻く環境は依然、厳しい。全6工場をすべて中国国内に置くJAソーラーの生産能力は現在、モジュールが1.8ギガワット、セルが2.5ギガワット、ウエハが1.0ギガワット。これに対し2013年の出荷高を会社側はモジュールとセルを合わせて1.7~1.9ギガワットと見込む。
業界全体としても需給の不均衡はなお激しい。2013年の世界の出荷高は中国、日本、インドなどアジア諸国が伸びるものの、これまで世界市場を牽引してきたドイツ、イタリアなどの欧州は導入支援策縮小から大幅減少となり、全体では31ギガワットと前年比7%増にとどまる見通し。一方、実質的な生産能力は依然、業界全体で40~45ギガワットはあると見られている(米国ソーラーバズの予想)。
また、太陽電池をめぐる欧米と中国との通商摩擦も激化している。米国は昨年11月、中国製の太陽電池が政府の不当な補助金を利用して不当に安い価格で輸入されているとして、反ダンピング関税と相殺関税を課した。欧州委員会も昨年来、中国製品のダンピングに関する調査を行っており、6月ごろに懲罰関税を含めた対応を仮決定する見通し。これに対して、中国政府も報復措置をちらつかせている。
世界2位へ浮上する日本は外資にも“おいしい”市場
こうした環境下、中国メーカーも戦略見直しを余儀なくされている。すなわち、これまでの海外での主戦場だった欧米から、日本をはじめとした新たな成長市場への戦略シフトだ。
謝健・最高執行責任者(COO)は、「日本をはじめ、インド、タイなどアジア諸国のほか、イスラエル、モロッコなど中東、アフリカにも積極的に参入していく」と話す。
JAソーラーでは、2013年の太陽電池の国別出荷量について、中国は政府の支援策次第で変動が大きいものの、6~10ギガワットで世界トップとなり、次いで日本がFIT効果で昨年の2.5ギガワットから5ギガワットへ伸び、ドイツ、米国、イタリアを抜いて2位へ浮上すると見ている。
日本のFITによる太陽光発電の買い取り価格は、2014年度まで3年間は事業者の利潤に配慮される。そのため、13年度もキロワット時当たり税込み38円程度と、欧州に比べ2倍以上の高水準にあり、太陽電池の価格も海外に比べて2~5割程度高いと言われる。日本の太陽電池メーカーにとって「今がわが世の春」(国内大手)。当然、外資にとっても、これほど“おいしい”市場は世界のどこにもない。
日本市場での2013年出荷量は倍増以上狙う
JAソーラーは日本では自社ブランドだけではなく、商社の丸紅や高島と組みOEMでも展開している。最近はメガソーラーを含めた非住宅向けが8割方を占めている。2012年の日本での出荷量は80メガワットで、中国メーカーとしてはサンテックに次ぎ2位だったが、13年1~3月は中国メーカーでトップに浮上すると見込む。13年通年の出荷量は前年比で倍増以上が目標。中期的には日本でシェア8~10%を獲得し、外資トップの座を狙っている。
ジンCEOは日本市場について、「ほかの市場に比べ、顧客の商品に対する要求が非常に厳しい。そうした日本市場で鍛錬を積むことで、当社の製品とサービスの質を向上させていきたい」と語る。
JAソーラーはすでに、日本支社では営業要員を約20人に増員し、中国本社でも日本市場向けの新商品開発やアフターサービス拡充など、これまでなかった取り組みを始めている。新商品開発については、日本で今年6月以降にメガソーラーの建設がピークを迎えるのに合わせ、各顧客にカスタマイズした新商品を投入していく考えだ。
低価格のみ追求せず、新商品開発や変換効率向上に注力
日本における価格戦略について日本市場の責任者を務める李燕・副社長は、「欧州では悪質な価格競争が横行して市場秩序が乱れ、多くの企業が倒産した。日本において当社は、必ずしも低価格で提供するのではなく、適切な価格で顧客ニーズに合った高品質の商品を提供していくことで、日本の太陽光市場の健全な成長に貢献したい」と話す。
中国メーカーにとっては、日本勢に比べた低価格が最大の武器のひとつであることは間違いない。ただ、激しい低価格競争が結局、自分の首を絞めることを経験しているだけに、少なくとも当面は25年保証などもアピールしながら、確実にマージンを確保する戦略でいくものと見られる。
さらに、技術開発について最高技術責任者(CTO)を務めるリュウ勇・上席副社長は、「中国メーカーはすでに模倣の段階を過ぎており、イノベーションがなければ主導的地位を保てない」と語る。単結晶セルの変換効率は量産ベースですでに19.5%を上回る水準を達成しているが、今年中に20%超、来年中に21%超を目指すという。セルに比べて2~3%のパワーロスが発生するモジュールにおいても、「今後3年以内には開発段階で20%の大台乗せが可能」との見通しを示した。
(※記事中、「ジンCEO」のジンは左側が「革」で右側が「斤」の合字。「リュウCTO」の「リュウ」は左側が「文」で右側が「リ〈りっとう〉」の合字)
リソース:東洋経済
仏プジョー、第1四半期の中国自動車販売台数は過去最高
[パリ 19日 ロイター] 仏PSAプジョー・シトロエンは19日、第1・四半期の中国での自動車販売台数が前年同期比で31%増加し過去最高になったと発表した。
販売台数は14万2000台で、同社の中国市場でのシェアは4%近くとなった。
プジョーの声明によると、中国第2位の自動車メーカー、東風汽車<0489.HK>との合弁で製造している「東風プジョー」ブランド車の販売が24%伸び、全体の成長をけん引した。
リソース:ロイター
プジョーの声明によると、中国第2位の自動車メーカー、東風汽車<0489.HK>との合弁で製造している「東風プジョー」ブランド車の販売が24%伸び、全体の成長をけん引した。
リソース:ロイター
中国、資本勘定を自由化する環境ができた=人民銀行副総裁
[ワシントン 18日 ロイター] 中国人民銀行の易綱副総裁は18日、強固な経済・財政状況や銀行セクターの改善によって、中国が資本勘定を自由化する環境ができたとの認識を示した。
「そうなれば、中国は一応資本勘定を交換可能にする準備が整ったと思う」と国際通貨基金(IMF)のパネル討論で述べた。
副総裁は、中国が、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロリストへの融資を防止する規則や、異常な状況下で講じるマクロプルーデンシャル措置の導入を目指していると述べた。
リソース:ロイター
「そうなれば、中国は一応資本勘定を交換可能にする準備が整ったと思う」と国際通貨基金(IMF)のパネル討論で述べた。
副総裁は、中国が、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロリストへの融資を防止する規則や、異常な状況下で講じるマクロプルーデンシャル措置の導入を目指していると述べた。
リソース:ロイター
PM2.5対策、官房長官「中国に技術協力」
菅義偉官房長官は19日の閣議後の記者会見で、中国から飛来する大気汚染物質の微小粒子状物質「PM2.5」を巡り、「技術協力などで問題に対応していきたい」と述べた。「日本にも大きな影響を及ぼし始めている」と懸念を示し、中国側と積極的に連携していく考えを強調した。
リソース:日本経済新聞
リソース:日本経済新聞
100円ショップのワッツ、中国に進出 年内に3店
100円ショップ「meets.(ミーツ)」などを展開するワッツは中国に進出する。今夏に上海市内に1号店を開き、年内に中国に3店を設ける。進出済みのタイでは店舗を増やす。海外の店舗数を2014年8月期に現在の約2倍の20店にする。
中国事業を手掛ける新会社を7月中旬に上海市に設立する。8月には新会社を通じて上海中心部に店舗を開く。商品の価格は15元(約230円)。生活雑貨を中心に4000品目程度の…
リソース:日本経済新聞
中国事業を手掛ける新会社を7月中旬に上海市に設立する。8月には新会社を通じて上海中心部に店舗を開く。商品の価格は15元(約230円)。生活雑貨を中心に4000品目程度の…
リソース:日本経済新聞
上海モーターショー開幕 参加企業は「東京」の10倍超
中国の若者向けに開発したコンセプト車を発表する日産自動車のアンディ・パーマー副社長=上海、斎藤徳彦撮影
【上海=南日慶子、斎藤徳彦】アジア最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」が20日、開幕した。世界の主要自動車メーカーが、世界一の自動車市場向けに最新鋭の車をお披露目した。尖閣問題の影響で昨年以降、販売が落ち込んでいる日系各社も、現地で開発した新車を発表し、巻き返しをねらう。
2012年の中国の新車販売台数は1930万台と、4年連続の世界首位。13年は史上初の年間2千万台超えが濃厚となっており、上海モーターショーの地位は一層高まっている。
今年の参加企業数は、部品メーカーを含め世界の18カ国・地域から約2千社にのぼる。「世界5大モーターショー」の一角に位置づけられる東京モーターショーの10倍以上。東京には参加しない米自動車大手3社のゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、クライスラーも顔をそろえる。世界で初めて発表される車種も、過去最多の111モデルに達する見通しだ。
リソース:朝日新聞
【上海=南日慶子、斎藤徳彦】アジア最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」が20日、開幕した。世界の主要自動車メーカーが、世界一の自動車市場向けに最新鋭の車をお披露目した。尖閣問題の影響で昨年以降、販売が落ち込んでいる日系各社も、現地で開発した新車を発表し、巻き返しをねらう。
2012年の中国の新車販売台数は1930万台と、4年連続の世界首位。13年は史上初の年間2千万台超えが濃厚となっており、上海モーターショーの地位は一層高まっている。
今年の参加企業数は、部品メーカーを含め世界の18カ国・地域から約2千社にのぼる。「世界5大モーターショー」の一角に位置づけられる東京モーターショーの10倍以上。東京には参加しない米自動車大手3社のゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、クライスラーも顔をそろえる。世界で初めて発表される車種も、過去最多の111モデルに達する見通しだ。
リソース:朝日新聞
中国四川省でM7、28人死亡
【北京共同】新華社電によると、中国四川省雅安市芦山県で20日午前8時2分(日本時間同9時2分)、マグニチュード(M)7・0の地震が起きた。中国メディアによると、少なくとも28人が死亡した。死傷者は「100人以上」との報道もある。同省成都の空港は閉鎖され、多くの建物が倒れたという。現地では余震が相次いでいる。震源の深さは13キロ。中国軍の成都軍区は救助活動のため、兵士2千人を出動させた。
リソース:ロイター
リソース:ロイター
酒々井アウトレット開業 商圏600万人、アジア誘客も
大型商業施設の「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県酒々井町)が19日、開業した。衣料品や雑貨、飲食店など121店をそろえ、県内のほか、都内や茨城県などから年間350万人の集客を見込む。地元は観光振興や知名度の向上に期待を寄せる一方、相次ぐ大型店開業で、商業施設間の競争は激しさを増しそうだ。
「ブランド物は千葉市のアウトレットや百貨店まで出かけていた。これからは近場で買える」。家族と訪れた酒々井町在住の女性(27)は喜ぶ。
酒々井アウトレットは成田空港から車で10分ほど。東関東自動車道を使えば都内からでも50分と近い。江戸川区から来た男性(65)は「平日のせいか30分で着いた」と驚く。運営する三菱地所・サイモン(東京・千代田)は成田市など千葉県北部を中心に都内や茨城県の南部までを商圏に想定、商圏人口は600万人とする。
地元は集客力に期待。酒々井町はフードコートの一角を借り名産品や観光施設を紹介する。小坂泰久町長は「買い物を機に町内の名所旧跡を巡ったり、お土産を購入したりしてほしい」といい、同町にある酒造大手、飯沼本家の飯沼喜市郎社長も「開業で町の知名度が高まる」と歓迎する。
アウトレットから車で30分程度の成田ゆめ牧場(成田市)はソフトクリームやヨーグルトなどの店を出し、物販をきっかけに来場につなげる。
成田空港に近く外国人観光客の来場も見込まれるため、空港との間を結ぶ路線バスや外貨両替所も整備した。開業式に参加した成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は「成田空港に中国などアジアからの観光客を引き付ける、新たな目玉施設になる」と期待している。
三井「最大80%オフ」 大型連休控え各店対抗策
酒々井アウトレットの開業はブランド品を扱う他のアウトレット店や百貨店にとっては打撃だ。大型連休を控え、各店は対抗策を取る。
三井アウトレットパーク幕張(千葉市)と同木更津(木更津市)は19日、「最大80%オフ」を目玉にした割引セールを始めた。「幕張は電車の来場者が中心で、木更津は商圏が重ならない」(運営する三井不動産)と影響はないとの立場だが、酒々井アウトレットの開業日にセールを始めて対抗する形だ。
そごう千葉店(千葉市)は24日から期間限定で市内の博物館や動物公園などと連携した集客策を実施する。各施設でそごうのカード会員向けにボールペンなどをプレゼントし、同店のイベントを告知。そごう千葉店では動物園など各施設利用者にペットボトルホルダーを贈り、互いに送客する。
木更津市では三井アウトレットパークの開業後、ホームセンターや大型家具店などの開店が相次いだ。酒々井アウトレットの近くでは開業直前に高速道路のインターチェンジが開通。区画整理区域に立地して開発用地も多いためアウトレットを核に商業施設の集積が進みそうだ。
リソース:日本経済新聞
ホンダ、中国でアキュラ生産 上海自動車ショー開幕
20日、上海国際モーターショーで展示されたホンダの高級車「アキュラ」=共同
【上海=菅原透】ホンダは20日、中国・上海で同日開幕した上海国際自動車ショー(上海モーターショー)で、高級車ブランド「アキュラ」を中国で生産する考えを明らかにした。会見した伊東孝紳社長は「多目的スポーツ車(SUV)タイプを3年内に量産したい」と語り、世界最大市場の中国で旺盛な高級車市場の開拓を本格化する方針を示した。
上海モーターショーは中国最大規模の自動車展示会で、2年に1度の開催。今回は過去最大の28万平方メートルの展示面積を確保。世界18カ国・地域から自動車や部品などの企業2千社が参加した。小型車からSUV、トラックまで出展車両は約1300台に達する。29日までの会期中に過去最高の80万人の来場を見込む。
上海では鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染が広がっており、主催者は会場内の消毒や換気を徹底するなど、衛生管理に万全を期して来場者を迎え入れた。
リソース:日本経済新聞
2013年4月16日火曜日
レナウン、中国企業の連結子会社に 出資比率53%
レナウンは12日、中国繊維大手の山東如意科技集団(山東省)グループを引受先とした第三者割当増資を実施すると発表した。山東如意グループの出資比率は41%から53%になり、レナウンは同グループの連結子会社になる。2010年に山東如意の出資を受けて中国事業の拡大を目指したが、苦戦。ライセンス事業主体の戦略に転換することで立て直すとともに、日本国内の出店増などで再建への道筋を確かなものにする狙いがある。
レナウンは5月末以降、山東如意の親会社である済寧如意投資を引受先に第三者割当増資を実施する。済寧如意の出資額は約29億円。調達資金は主に国内のショッピングセンターへの出店に使う。主力のカジュアル衣料品ブランド「アーノルドパーマータイムレス」の店舗数を15年2月末までに約2倍の100店以上にする。レナウンの北畑稔社長は「山東如意の考えが主戦場の日本をしっかり守ってほしいという方向に変わってきたようだ」と説明する。
レナウンは山東如意の傘下入り後の3年間で「不採算なブランドや店舗を整理・撤退し、一定の効果があった」(レナウンの北畑社長)。14年2月期には5億円の営業黒字を見込み、16年2月期までに15億円以上の営業利益の確保を目指す。
中国戦略では従来の大量出店の方針を転換、現地の衣料品メーカーや流通企業などに自社が持つ衣料品ブランドの使用権を与えて利益を得るライセンス事業に軸足を置く。山東如意の国際的な販売網を生かしてライセンス供与先を開拓。「アジアやアフリカ、欧州に目を向け、ライセンス事業を検討する」(北畑社長)
山東如意は新たに2人の取締役を派遣し、レナウンの取締役の過半を握る。北畑社長は「これまでも深い関係にあり、今後も機動的な経営に協力してもらえると考えている」と言うが、同社の経営再建に対する目はより厳しくなるはずで、今回の増資による今後のテコ入れ策の成否がレナウンの命運を握る。
リソース:日本経済新聞
リソース:日本経済新聞
2013年4月13日土曜日
日清紡HD、中国・タイでブレーキ材増産 工場増強
日清紡ホールディングス(HD)は主力の自動車用ブレーキ摩擦材を増産する。同社は摩擦材世界最大手で2割近いシェアを持つ。中国では生産能力を4倍に引き上げ、タイでも新工場を建設する。11日に発表する2015年度(16年3月期)までの中期経営計画に盛り込む。15年度の連結売上高は摩擦材事業の拡大などで1000億円増の5500億円を目指す。
日清紡HDは11年に欧州摩擦材大手のTMD(ルクセンブルク)を…
リソース:日本経済新聞
日清紡HDは11年に欧州摩擦材大手のTMD(ルクセンブルク)を…
リソース:日本経済新聞
日本ペイント、ウットラムと中国で合弁工場 TOB白紙後初
日本ペイントは、シンガポール塗料会社ウットラムグループと中国雲南省で住宅向け塗料を共同生産する。中国で6カ所目となる合弁工場を今夏に新設する。ウットラムは今年1月、日本ペイントにTOB(株式公開買い付け)を提案し、出資比率を現在の14.6%から約45%に高める意向を示したが、3月に撤回。両社は協議による関係強化を探っている。
新工場はTOBを白紙に戻した後の初の協力事業となる。雲南省昆明市に1万…
リソース:日本経済新聞
新工場はTOBを白紙に戻した後の初の協力事業となる。雲南省昆明市に1万…
リソース:日本経済新聞
ユニクロ、上海に世界最大店舗 今秋に
ファーストリテイリング傘下のユニクロは10日、中国・上海に売り場面積約6600平方メートルと、同社では世界最大の店舗を開くと発表した。今秋、高級ブランドが軒を連ねる淮海中路地区の百貨店跡に出店する。同社で現在、売り場面積が最大なのは銀座店(東京・中央)で約5000平方メートル。上海の新店舗は最新の店舗設計や品ぞろえで中国でのブランド向上につなげる。
リソース:日本経済新聞
リソース:日本経済新聞
2013年4月11日木曜日
NEC、中国重慶市とクラウド分野で戦略的パートナーシップ
NECは2013年4月10日、スマートシティやクラウドサービス分野に関して中国重慶市と戦略的パートナーシップを締結すると発表した。
今回のパートナーシップにより、両者は今年度中をめどにNECグループ100%出資による現地法人を設立する。また、時期は未定だが、NECのクラウドサービスプラットフォームを配備したデータセンターを重慶市に設置するほか、クラウドサービスアプリケーションの開発やクラウドコンピューティング技術を扱う研究所を開設する。さらに、現地の教育機関との協力により、クラウド人材の育成や技術認定などを行う教育機関を設置する。
重慶市とNECは、IT人材育成、最先端技術開発、商品・サービス開発、販売展開というエコシステムを同市で発展させ、将来的には中国全土やグローバルに向けたサービスを開発していくとしている。
リソース:ITpro
今回のパートナーシップにより、両者は今年度中をめどにNECグループ100%出資による現地法人を設立する。また、時期は未定だが、NECのクラウドサービスプラットフォームを配備したデータセンターを重慶市に設置するほか、クラウドサービスアプリケーションの開発やクラウドコンピューティング技術を扱う研究所を開設する。さらに、現地の教育機関との協力により、クラウド人材の育成や技術認定などを行う教育機関を設置する。
重慶市とNECは、IT人材育成、最先端技術開発、商品・サービス開発、販売展開というエコシステムを同市で発展させ、将来的には中国全土やグローバルに向けたサービスを開発していくとしている。
リソース:ITpro
中国鳥インフル、東アジアの鳥ウイルスと混合か
中国政府系研究機関の中国科学院は、上海周辺で感染が広がる鳥インフルエンザ「H7N9型」のウイルスが東アジアの野鳥と現地の鳥のウイルスが混合してできた可能性があるとの研究結果をまとめた。上海周辺にたどり着いた渡り鳥と現地の鳥の間で感染が繰り返されたことで、遺伝子が変異した可能性がある。10日の新華社電が伝えた。
中国科学院病原微生物・免疫学重点実験室がウイルスの遺伝子を解析して分かった。同実験室は、上海や浙江・江蘇両省からなる長江デルタ地帯でウイルスの変異が起きた可能性が高いと分析している。
H7N9型については、3種類の鳥ウイルスに由来する可能性が高いことが日本や中国などの研究機関によるデータ解析で明らかになっている。
リソース:日本経済新聞
中国科学院病原微生物・免疫学重点実験室がウイルスの遺伝子を解析して分かった。同実験室は、上海や浙江・江蘇両省からなる長江デルタ地帯でウイルスの変異が起きた可能性が高いと分析している。
H7N9型については、3種類の鳥ウイルスに由来する可能性が高いことが日本や中国などの研究機関によるデータ解析で明らかになっている。
リソース:日本経済新聞
中国の鳥インフル感染者33人に-人から人感染は確認されず
4月11日(ブルームバーグ):鳥インフルエンザウイルス「H7N9型」の感染拡大が懸念される中国で、10日に新たに5人の感染が確認され、ウイルス感染者は計33人になった。
当局は全国の家禽市場の検査と、ウイルスが検出された場所での家禽の処分を指示した。同国の金融中心地である上海ではこれまでに15人が感染、5人が死亡している。
世界保健機関(WHO)によれば、ウイルスが人から人に感染したとの証拠は依然見つかっていない。
原題:Four-Year-Old Boy in China Cured of Bird Flu as H7N9 CasesRise(抜粋)
リソース:Bloomberg
当局は全国の家禽市場の検査と、ウイルスが検出された場所での家禽の処分を指示した。同国の金融中心地である上海ではこれまでに15人が感染、5人が死亡している。
世界保健機関(WHO)によれば、ウイルスが人から人に感染したとの証拠は依然見つかっていない。
原題:Four-Year-Old Boy in China Cured of Bird Flu as H7N9 CasesRise(抜粋)
リソース:Bloomberg
2013年4月9日火曜日
中国の大都市、不動産バブル対策に動く
北京や上海など中国の大都市が住宅価格の高騰対策に相次いで乗り出した。北京市では単身世帯の2軒目の住宅購入を禁止。上海市も3軒目以降について住宅ローンの利用を禁じた。ただ、北京などでは規制強化を見越した駆け込み売買が3月に急増しており、バブル対策を巡る混乱はしばらく続きそうだ。
■不動産市況が過熱
中国政府は昨夏以降、景気を下支えするためにインフラ投資を加速させたが、景気が本格回復する前に、不動産市…
リソース:日本経済新聞
■不動産市況が過熱
中国政府は昨夏以降、景気を下支えするためにインフラ投資を加速させたが、景気が本格回復する前に、不動産市…
リソース:日本経済新聞
中国の銀行出資規制緩和 台湾、最大20%まで認可
台湾金融監督管理委員会(金管会)は1日、中国の銀行が台湾の一部金融機関に最大20%まで出資することを認めると発表した。台湾と中国の経済的な結び付きの深化に伴い、中国の銀行による出資比率の上限を引き上げる。
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の尚福林主席は1日、金管会の陳裕璋主任委員と台北で会談。金管会は、台湾の金融持ち株会社の銀行部門に関して、中国の銀行1行が最大2割保有することが認められるようになるとの声明を発表した。
兆豊証券の銀行アナリスト、荘弼彦氏(台北在勤)は声明発表前、「台湾の銀行は中国からの投資を呼び込むことを期待しており、中国での将来の事業拡大も視野に入っている」と述べていた。
中国は適格国内機関投資家(QDII)制度の下で中国の商業銀行に対し、台湾株に投資することを認める。
金管会によれば、台湾と中国が1日結んだ取り決めは60日以内に発効する。(ブルームバーグ Cindy Wang)
リソース:SankeiBiz
中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の尚福林主席は1日、金管会の陳裕璋主任委員と台北で会談。金管会は、台湾の金融持ち株会社の銀行部門に関して、中国の銀行1行が最大2割保有することが認められるようになるとの声明を発表した。
兆豊証券の銀行アナリスト、荘弼彦氏(台北在勤)は声明発表前、「台湾の銀行は中国からの投資を呼び込むことを期待しており、中国での将来の事業拡大も視野に入っている」と述べていた。
中国は適格国内機関投資家(QDII)制度の下で中国の商業銀行に対し、台湾株に投資することを認める。
金管会によれば、台湾と中国が1日結んだ取り決めは60日以内に発効する。(ブルームバーグ Cindy Wang)
リソース:SankeiBiz
中国で日本車の新車販売足踏み 3月、マツダなど4社悪化
中国に進出する日系自動車大手6社の3月の新車販売台数が5日、出そろった。マツダなど4社は直前の1~2月よりも前年比で悪化。2012年11月から続いた販売回復の動きに足踏みがみられた。同年9月の沖縄県の尖閣諸島を巡る反日デモから半年が経過しても日本車を避ける傾向が根強く残るほか、日本車の優位性低下を指摘する声も上がる。
マツダの3月の販売台数は前年同月比25.2%減となり、1~2月…
リソース:日本経済新聞
マツダの3月の販売台数は前年同月比25.2%減となり、1~2月…
リソース:日本経済新聞
2013年4月8日月曜日
ココカラファイン、4社合弁でドラッグストア
ドラッグストアチェーン大手のココカラファイン(神奈川県横浜市)は3月29日、伊藤忠商事、医薬品などの卸売りを手掛けるアルフレッサホールディングス(東京都千代田区)、中国の医薬品流通会社である成大方円医薬連鎖投資(遼寧省大連市)の4社で、遼寧省大連市にドラッグストア事業を展開する合弁会社を設立すると発表した。4社の強みをそれぞれ活かし、まずは東北地方の都市部での店舗展開を図る。
新会社の名称は遼寧康心美商業連鎖。資本金は1,500万元(約2億2,700万円)で、成大方円が51%、ココカラファインが25%、伊藤忠商事とアルフレッサがそれぞれ12%を出資する。6月の設立となる予定。
遼寧、吉林、黒竜江の東北3省に加え、河北省、山東省、内モンゴル自治区の6地域で店舗展開する。ココカラファインによると、1店目は7月をめどに東北3省内での出店を検討中。合弁企業独自のブランドで、主に化粧品や雑貨、健康食品を取り扱うバラエティショップとして展開する。
伊藤忠商事は1997年、北京伊藤忠華糖総合加工を設立。沿岸部や内陸部都市に計13拠点を持ち、日系企業を中心に衣食住の総合卸を展開している。伊藤忠とアルフレッサは2005年に日美健薬品(中国)を設立、中国国内で日系医薬品・ヘルスケア関連を中心とした商品を提供している。伊藤忠とアルフレッサは11年3月、遼寧成大と3社で業務提携することで合意し、中国での日本式ドラッグストアの展開を検討していた。
■上海では来期中に5店舗体制
ココカラファインは12年2月、上海市に全額出資の現地法人「可開嘉来(上海)商貿」を設立。同年5月には同市徐匯区の大型商業施設「美羅城(メトロシティ)」に1店舗目となるドラッグストアを開業した。14年3月までに上海や近郊都市で5店舗体制にする計画。
ココカラファインは、子会社のセガミメディクスが中化生医科技股フン(サモアバイオ)の全額出資子会社で、チェーン薬局を展開する上海百齢薬業連鎖を通じて10年7月、メトロシティにセガミブランドによるドラッグストアの旗艦店をオープンしていた。ただ11年9月に提携を解消し、可開嘉来(上海)商貿を設立した。<全国>
リソース:YAHOO!ニュース
新会社の名称は遼寧康心美商業連鎖。資本金は1,500万元(約2億2,700万円)で、成大方円が51%、ココカラファインが25%、伊藤忠商事とアルフレッサがそれぞれ12%を出資する。6月の設立となる予定。
遼寧、吉林、黒竜江の東北3省に加え、河北省、山東省、内モンゴル自治区の6地域で店舗展開する。ココカラファインによると、1店目は7月をめどに東北3省内での出店を検討中。合弁企業独自のブランドで、主に化粧品や雑貨、健康食品を取り扱うバラエティショップとして展開する。
伊藤忠商事は1997年、北京伊藤忠華糖総合加工を設立。沿岸部や内陸部都市に計13拠点を持ち、日系企業を中心に衣食住の総合卸を展開している。伊藤忠とアルフレッサは2005年に日美健薬品(中国)を設立、中国国内で日系医薬品・ヘルスケア関連を中心とした商品を提供している。伊藤忠とアルフレッサは11年3月、遼寧成大と3社で業務提携することで合意し、中国での日本式ドラッグストアの展開を検討していた。
■上海では来期中に5店舗体制
ココカラファインは12年2月、上海市に全額出資の現地法人「可開嘉来(上海)商貿」を設立。同年5月には同市徐匯区の大型商業施設「美羅城(メトロシティ)」に1店舗目となるドラッグストアを開業した。14年3月までに上海や近郊都市で5店舗体制にする計画。
ココカラファインは、子会社のセガミメディクスが中化生医科技股フン(サモアバイオ)の全額出資子会社で、チェーン薬局を展開する上海百齢薬業連鎖を通じて10年7月、メトロシティにセガミブランドによるドラッグストアの旗艦店をオープンしていた。ただ11年9月に提携を解消し、可開嘉来(上海)商貿を設立した。<全国>
リソース:YAHOO!ニュース
中小製造業、顧客目線で海外客つかむ 売れる現地仕様模索
中小製造業の海外進出がこれまで国内販売を中心にしてきた企業にも広がってきた。先行きの国内市場縮小が見込まれ、新市場の確保は経営の優先課題。ただ国内製品を欧米やアジア向けの仕様にするといっても様々な対応を求められる。使い方の提案やイメージ戦略、価格を抑えながら高い品質をアピールするなど、海外で顧客をつかむための心構えを探った。
畳や和式建具の製造大手、TTNコーポレーション(兵庫県伊丹市、辻野福三…
リソース:日本経済新聞
畳や和式建具の製造大手、TTNコーポレーション(兵庫県伊丹市、辻野福三…
リソース:日本経済新聞
成長源は「SUV」と「新興国」 中国の独自ブランド車大手
中国の独自ブランド車大手が新興国と多目的スポーツ車(SUV)の2つの市場の取り込みを急いでいる。浙江吉利控股集団(浙江省)傘下の吉利汽車は2012年に海外販売が前年比2.6倍と急成長。長城汽車(河北省)はSUVを中心に12年の新車販売が3割の伸びを見せた。得意分野を開拓し、外資系ブランドが席巻する主戦場の乗用車市場での不振を補う。
「顧客には最初から我々のクルマが受け入れられている」。吉利汽車の…
リソース:日本経済新聞
「顧客には最初から我々のクルマが受け入れられている」。吉利汽車の…
リソース:日本経済新聞
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