ご存知の通り、中国ではネット普及率が日本以上に進んでいます。旅行業界においても、その影響は大きく、国内旅行を中心にWEB系旅行社の発展が目覚ましい状況です。老舗の大手旅行社は、旅行商品のWEB販売に遅れをとっている事は否めず、ツアー設定は自社で行い、WEB系旅行会社に代売してもらっているケースが多く見受けられます。
WEB系旅行会社の中では、CTRIPが圧倒的なシェアを持ち大躍進を遂げています。しかし最近はCTRIP以外の大手WEB企業が、大手旅行会社と合併して肥大化しており、急激にシェアを拡大しています。日本で例えるならば、楽天が、JTBや日本旅行と合併する様な状況です。
このままでは、WEB系旅行社の圧倒的有利と思いきや、老舗旅行社には、まだまだ挽回の余地があります。それは中国人の観光ビザ取得申請窓口は“旅行社に限られている”為、老舗旅行会社は、まだまだ集客の糸口はつかんでいるわけです。ビザ申請に訪れた客から、いかに自社商品を利用してもらうかまでの抱え込みが鍵となり、プライドを保ちたいところです。
但し、自社商品と言っても、今までの様な“募集型団体ツアー”は不人気を辿る一方で、今後はFIT化を重視した個人パッケージツアー(飛行機+ホテルの自由プラン)をいかに効率的に販売出来るかが、旅行社の行方を決めるといっても過言ではありません。
食べたいものを食べ、行きたいところへ行き、好きなお店でお得に買い物をする。そんな個人旅行への志向が高まる中、老舗旅行社の強みは、FACE TO
FACE の販売です。いかに旅行先の情報を知り、顧客にアドバイスをすることができるか。中国も日本と同様、老年層が増えている国。簡単にインターネットで、というわけにもいかない富裕層の老年世代層に、カウンターで細かい情報提供が出来れば、WEB系旅行社に負けない強みとなります。
JNTO調査によると、訪日個人観光の取扱について、今後積極的に取り組む予定があるかを中国の旅行社へ聞いたところ、113社(98.3%)が「はい」と回答、未定が2社(1.7%)で、「いいえ」と答えた旅行社は0 との回答でした。
FIT化へ急激に変化していく中国旅行業界。今後めまぐるしく変わっていく状況から目が離せません。そして中国人観光客誘致を促進する為に、どうアピールするのが効率的か、誘致を考える日本の企業側も、方向性を見極める時期ではないでしょうか。
リソース:中国ビジネスヘッドライン
0 件のコメント:
コメントを投稿