2013年2月13日水曜日

何故、中国人はうるさいのか? 3つの理由と大きな誤解

中国人観光客のイメージとして、「声が大きい」「場所を構わずうるさい」「並ばない」等、マナーの悪さを第一にあげる人も少なくありません。その為、日本の宿泊施設や観光施設も、今一歩、中国人観光客の誘致拡大を後ろ向きに考えるケースもあるかと思います。確かに、中国人観光客がうるさいのは事実です。それには、3つの理由があり、そこには大きな誤解があるように思います。

第1に、現在日本を訪れている中国人観光客は「団体」比率の高いことが挙げられます。団体というものは、そもそも声は大きくなり、周りに対しての気配りがなくなってくる性質のものでしょう。我々、日本人であっても、団体で動けばうるさいのです。今でこそ、日本人の団体ツアーは、オーガナイザー団体やイベント団体でなければ、あまり見かけなくなりました。しかし、25年前の日本の海外旅行はどうだったのでしょうか?

かつては、旅行会社が企画した募集型団体ツアー、いわゆる旗振りツアーに参加するのが一般的でした。飛行機や宿泊ホテルはもちろん、食事も全部付き、買い物先まで決められている、そんな団体パックツアーでした。

添乗員さんに案内され、移動のバスにさえ乗れば行程通りに進んでいく。団体であるがゆえ、不安な気持ちも半減し、ニューヨークの五番街や、パリのシャンゼリゼ通りを大声で話しながら歩く日本人の様子を、地元の方達に怪訝な顔で見られていた、という事はない、と言い切れるでしょうか。

この点については、現在、急激にFIT化(個人観光課)に変貌しつつある中国からの訪日観光マーケットにおいては、自然と解消されていくと思われます。

第2に、まだまだ中国人観光客には、国際的なマナーが浸透しきれていないという事が挙げられます。この点においても、かつての日本人もまた同じく、1964年開催の東京オリンピック前には、「立ち小便はやめましょう」という張り紙が東京の町中にあったと聞きます。48年前とは打って変わって、国際社会が近い現代で、急速に国際化の波にある中国においては、個人にも少しずつ国際的マナーが浸透していくはずです。

そして、第3に、言語と習慣の違いがあります。中国語は、四声といって発音に大きな抑揚がつきます。外国人が聞くと一本調子に聞こえる日本語、そんな日本語の発音に比べれば中国語はうるさく聞こえて当たり前です。

弊社上海事務所のスタッフも、日本語で話す時と、中国語で話す時では、声の調子も大きさも変わります。同じ内容を話していたとしても、中国語では怒り出したかの様に聞こえ、日本語では穏やかに聞こえます。ビジネス等の場で、中国語の通訳士を雇われた方はきっと同じ様に感じられた経験があると思います。

また中国人の習慣として、何故か人と人との距離が近いというのも、うるさい(うっとおしい)と感じる理由かもしれません。中国で電車やバスに並んで待っている時、日本感覚のまま、ゆったり50~60センチの間をあけようものならスッと入られてしまいます。

後ろを振り向けば、自分の肩越しに知らない顔がヌッと出現したり、中国人は、他人と肌が触れ合ったりすることを、あまり気にしない様です。個人差はありますが、会話をしている間でも、中国人は日本人に比べてかなり近づいて話をする傾向があります。

この点については、慣れるしかありません。ただ、言語の特徴と、習慣を理解して接する事によって、悪いイメージは少しずつ払拭されてくるはずです。

私が25年の旅行業経験から、常日頃、機会あるごとに発言させて頂いているように、今後中国の旅行社は、個人観光査証(FITビザ)取得条件の緩和を機に、個人嗜好を重点に考えられた個人向け訪日ツアーを中心に販売していきます。

個人の趣向を叶えられなければ、旅行は楽しくも何ともありません。安い料金に納得し、いざ現地に入れば時間の自由も、行きたい場所の自由もないツアーは減少していくばかりです。募集型団体ツアーから、個人型ツアーへシフトすることにより、中国人観光客への印象も大きく変わっていくはずです。

ひとりひとりの中国人に対応してみてください。全ての中国人が、マナーの悪い人ばかりではありません。

国際的マナーがもっと多くの中国人に浸透されるには、あと少し時間がかかるかもしれません。しかしながら前述の通り、我々日本人の25年前の海外旅行の姿を思い起こしてもらえれば、中国人観光客に対して心に余裕が持てるのではないでしょうか。

私は、観光立国日本の一員として”Welcome to Japan for Chinese Traveler”と、うるさいくらいの大きな声で訴えていきたいと思っています!

リソース:中国ビジネスヘッドライン

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