2013年2月27日水曜日

中国ネット通販で物流インフラ競争 蘇寧やアリババなど

中国のインターネット通販業界で物流インフラの整備競争が激しくなってきた。自前で倉庫や配送網を構築し、商品を送り届けるサービスが顧客囲い込みの切り札になるからだ。中国のネット通販市場は2015年に3兆元(約45兆円)と12年の2.3倍に膨らむ見込み。だが、広大な中国での物流網作りは投資負担が重い。勝ち残るのはたやすくない。

中国全土に1700店舗を抱える家電量販最大手の蘇寧雲商集団(旧蘇寧電器、江蘇省)。「ネット通販産業の発展は実際に店舗を持つ小売企業が主導する」。21日、本社がある江蘇省南京で記者会見した孫為民副董事長はネット通販事業の拡大に自信を見せた。

同社は09年から家電商品を中心とした仮想商店街サイト「蘇寧易購」を立ち上げ、今では個人向け仮想商店街市場でシェア3位に位置する。一段の成長を目指して「重視するのは物流サービス」(孫副董事長)。15年までに中国60カ所に配送拠点をつくるほか、実店舗も活用して迅速に商品を配送する体制を整える。

最大手のアリババ集団(浙江省)も1月、順豊速運(広東省)など大手宅配業者や投資会社の復星集団(上海市)などと組み、商品配送網を整備する計画を公表した。投資額は1000億元(約1兆5千億円)。8~10年内に、注文を受けてからどこでも24時間以内に商品を配達できるようにする。

ネット通販大手では、家電販売を強みとする京東商城(北京市)や、「ネット上のスーパー」を掲げる「1号店」(上海市)が、自ら配送機能を持つ米アマゾン・ドット・コム型のビジネスモデルで顧客の取り込みに成功してきた。競争激化に備えて、両社は資金確保に動く。

京東商城は今月、カナダの年金基金とサウジアラビアの投資家から合計6億5000万ドル(約600億円)調達することで合意。「1号店」は昨年、米小売り大手のウォルマート・ストアーズから51%超の出資を受け入れた。資本を増強し、物流やIT(情報技術)投資を積極化する戦略だ。

物流競争の背景にあるのは「中国の電子商取引の発展を脆弱な物流インフラが阻害しかねない」(業者関係者)との危機感だ。通販市場の拡大で商品を宅配するニーズは急膨張。中国の国家郵政局によると、12年の宅配量は前年比54.8%増の56億8500万件で「一日の最高処理件数は3000万件超」(馬軍勝局長)に達した。

貨物の急増に宅配業界の処理能力は追いついておらず、ネット上で注文した商品の配送遅れも珍しくない。ヤマト運輸など正確な運送で評価の高い日本の宅配業者にとっては商機が拡大している。

投資リスクを取りながら、いかに顧客を囲い込むか。中国のネット通販業界は、安さと品揃えの豊富さだけでは勝ち抜けない時代に入った。

リソース:日本経済新聞

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