2013年2月8日金曜日

中国広東省、最低賃金19%上げへ 10年で3倍に


【広州=桑原健】中国広東省は5月に労働者の最低賃金を19%引き上げる方針を決めた。広州市は月1550元(約2万3100円)に上昇。10年前と比較すると3倍になる。中国政府は労働者の所得を底上げする手段として、同賃金を段階的に引き上げている。度重なる人件費の上昇圧力を受けて、進出や生産拡大をためらう企業も出てきそうだ。

2011年3月以来の引き上げ。日本からの企業進出が多い東莞、仏山、中山、珠海の各市は1310元に上がる。日本の自動車大手・部品メーカーが進出する広州市は全国最高となる。これまでは、広東省政府とは別に独自に決める権限を持つ同省深セン市の1500元が全国最高だった。

同省には日系企業約3千社が進出する。現在の基本給が新しい最低賃金に満たない企業もある。ある広州市の自動車部品メーカーは現在の1500元からの引き上げが必要。同社幹部は「作業効率化で吸収するしかない」と話す。10年前の03年の最低賃金は広州市で510元、東莞市で450元にとどまっていた。低賃金を期待して進出した日系電機大手幹部は「新たな増産投資は考えにくい」と強調した。

出稼ぎ労働者が多い広東省では内陸の雇用拡大や若者の工場労働の敬遠により、人材不足が強まっている。省政府内では出稼ぎ労働者が帰郷する春節(旧正月)休暇終了後に最大120万人が不足するとの試算もあり、労働者をつなぎとめるため最低賃金引き上げの発表を急いだ。全国の最低賃金の指標とみられている広東省が引き上げに動いたことで、新たに追随する地方政府が出てきそうだ。

リソース:日本経済新聞

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