2013年4月30日火曜日

鉄鉱石価格、中国鋼材需給の緩和観測を背景に下落-安値圏で推移

高炉の製鉄原料となる鉄鉱石の価格が鋼材需給緩和観測を背景に下落している。国際指標となる中国向け鉄鉱石のスポット(随時契約)価格は足元でトン当たり134ドル前後で、2月下旬に比べ15%ほど安く、年初来安値圏で推移。「中国の不動産投資規制の強化や金利引き上げ観測などを受け鋼材需要の減退懸念が強まった。鉄鋼製品在庫の水準が高いことも圧迫材料」(マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表取締役)との指摘があった。

中国鋼鉄工業協会(CISA)推計によると、同国の3月上旬の日当たり粗鋼生産は208・5万トンと200万トンを超え、2月下旬に比べ2・5%増えた。鉄鋼製品在庫は2079万トンと2000万トン台に乗せ増加。このため「鉄鋼製品価格が軟化し、相関性の高い鉄鉱石価格への下げ圧力が高まった」(新村氏)。

中国では中小の鉄鋼メーカーを中心に増産基調が続き、供給過剰が市況を圧迫する構造が続いている。

リソース:日刊工業新聞

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