2012年12月12日水曜日

中国古典名言(日中対照)11‐20

「渇者不思火、寒者不求水」
渇者は火を思わず、寒者は水を求めず
解釈:のどが渇いている者は水を求めているのであって、暖をとるための火を求めたいとは思わない。また逆に寒さに凍えている者は、水を欲したりはせず、暖を求めているのだ。
人はおのおの、その当面の欲求を満たしてくれるものこそを希求する。
出典:韋応物(いおうぶつ)「城中臥疾(じょうちゅうやまいにふす)」詩 -唐-

「勝兵先勝而後求戦、敗兵先戦而後求勝
勝兵はまず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵はまず戦いて而る後に勝を求む
解釈:勝利する者は開戦前にまず勝利を得て戦争しようとするが、敗北する軍は戦争を始めてから勝利を求めるものだ。
出典:『孫子兵法』

「飢者易為食、渇者易為飲」
飢えたる者は食を為し易く、渇したる者は飲を為し易し
解釈:飢えている者は、食ぺ物を選ばずどんな物でもむしゃぶりついて食べようとするし、喉の渇いた者は、飲み物を選ばず飲もうとする。切羽詰れば、体裁など気にしていられない。また、飢渇は、ときに人の判断、正邪の区別を誤らせる。
出典:『孟子』公孫丑・上 -先奏-

「一葉蔽目不見泰山 両豆塞耳不聞雷霆」 
一葉目を蔽えぱ泰山を見ず、両豆耳を塞げぱ雷霆を聞かず
解釈:一枚の葉で目をおおうと泰山のような大きな山も見えなくなる。2つの豆で耳をふさぐと雷鳴も聞こえなくなる。ちょっとしたことで物事の真理を見誤り、誤った判断、行動をとってはならない。小さなことを見過ごしてはならないし、兆候を軽んじてもいけない。
出典:『鶡冠子(かつかんし)』 天則 (先奏)

「新沐者必弾冠、新浴者必振衣髪」
新たに沐する者は必ず冠を弾き、新たに浴する者は必ず衣を振るう
解釈:髪を洗ったばかりの者は、冠の塵(ちり)をはじき落としてからかぶり、入浴したての者は、衣服のほこりを振るってから着る。身の潔白を守るためには、汚れたものを受け入れることはできない。身の破滅を招こうとも、自己の信念を貫こうとする屈原のことば。
出典:屈原(くつげん)『漁父辞(ぎょほのじ)』 (先秦)

「不官無功之臣 不賞不戦之士」
功無きの臣を官せず、戦わざるの士を賞せず
解釈:賢明な君主は功績のない臣下は重職として登用しないし、戦わない兵士を讃えたりしたりしないもの。人事は公明正大にするということ。論功行賞を恣意的に行えば組織の統制は乱れる。
出典:曹操『論吏士行能令』

「公事不私議」
公事は私に議せず
解釈:公的な事柄を私的なところで議論すべきではない。そのことをはかるべき場があるのだから、それ以外のところで、あれこれ取り沙汰してはいけない。
陰でばかり意見している人物は、結局、信用されないし、評価もされない。
出典:『礼記』

「多算勝、少算不勝、而況於無算乎」
算多きは勝ち、算少なきは勝たず、而(しか)るを況(いわ)んや算なきに於いてをや。
解釈:戦いは勝ち目があるから勝ち、勝ち目が少なければ勝てない。だから、ましていわんや、勝ち目がまったくないのに戦っても、勝てるはずがない。
出典『孫子兵法』

「水至清則無魚 ,人至察則無徒」
水至りて清ければ魚なし.人至りて察なければ徒なし
解釈:水清けえれば魚住まず,と言うように,人間もあまり厳格過ぎては,人が寄って来ません.大体,小人どもの腹の内など,君子には全て読めるもの,大きな度量を持って抱擁してやることで,万事はうまくおさまる。
出典:『宋名臣言行録』

「桃李不言,下自成蹊」
桃李言わざれども下自から蹊を成す
解釈:桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる。徳望のある人のもとへは人が自然に集まることのたとえ。
出典:『史記』李将軍伝賛

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